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9章 食欲旺盛

 ミサキはカツサンドウィッチを、口の中に運んだ。

「カツはおいしいけど、サンドウィッチは飽きてきた」

 半日間の生活で、サンドウィッチは20個目である。これだけの数を食べるとなると、嫌気がさしてくる。

 食欲はなかったとしても、大量のカロリーを得る必要がある。4個のサンドウィッチを、口の中に運ぶことにした。

 サンドウィッチだけでは、カロリーは十分といえない。冷蔵庫からロールパンを取り出すと、4つほど食べる。こちらは飽きていないのか、おいしく感じられた。同じ食べ物に飽きかけたときは、バリエージョンの変更が効果的なようだ。

 ロールパンのあとは、「ピザポチ」を口に放り込む。空腹になるスピードは早いので、念には念を押しておきたい。

「ピザポチ」を食べたことで、手が油まみれになった。水道水で手を洗って、掌、指をきれいにしたいところ。

 水道の蛇口を探そうとしたものの、どこにも見当たらなかった。蛇口はどこに行ってしまったのだろうか。

 水道の下に手を置くと、水が自動で流れる。蛇口をひねるタイプではなく、自動で流れるタイプのようだ。豪邸に住んでいるだけあって、設備は最先端となっている。

 すごいと思ったのは、温度調節をされていること。人肌にとって、最適な温度となっている。

 手をしっかりと洗ったあと、柔らかいタオルで水気をふき取った。清潔な掌を見て、気分は癒やされるかのようだった。

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