バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

15 勇者の師匠に!?

「あの。私に魔法を強くなる方法を教えてください。」

「ええ!?本当ですか。」

 まあ、もしかしたらなるかもなって思ってはいたけど、実際になるとやっぱ驚くな。

「本当ですよ。城で『学院にいる間は1等貴族のロベル・クライエットに魔法を教えてもらうといいでしょう。』って言われてましたから。」

「では、教えてあげましょう。自分のできる限りのことで。」

「ありがとうございます。」

「では、いつから始めますか。」

「できるなら、明日からでお願いします。」

「わかりました。」


〜〜〜〜〜


 そして、次の日。授業は相性を確認するって感じだった。まあ、俺は1人でできることが多いせいで相性もクソもあるかって話なんだけど。

 その時はバックアタッカーでヒーラーって感じに終わった。剣術もしっかりとなってないから確かに合ってるけど。

 そんなことより今日は勇者に魔法を強くなる方法を教えるんだ。昨日、約束をした場所でもある魔法訓練場で。

「遅れてすみません。」

「いえ、気にしてませんから。それより、よくこんな早く来れましたね。あの人だかりを捌くのは大変だと思いますけど。」

 今来たばかりというのは教室を先に出てから前世だと30分?くらい経っている以上無理があった。

「みなさん、同じようなことを言っていたのでなんか言い争いのようになってしまい、その隙に抜け出したので。」

「なるほど、それなら納得です。」
「では、訓練を始めてもよろしいですか。」

「もちろんです。」

「まず、私のやり方について説明しますね。」
「魔法を使う上で根本的に必要なのは魔力でありますが次に必要なものが2つあります。私はこの2つを鍛えることがメインとしています。それは、魔力のコントロールと魔力を1度に出せる量です。」

「魔力のコントロールはわかるのですが、魔力の1度に出せる量が大事なのですか。」

「それですね。強い魔法を使う上で大事なんですよ。」

「上位魔法を使うときでもそんなこと気にしたことないですよ。」

「言い方が悪かったですね。強い魔法つまり魔法の威力を上げるために、この2つが必要なんです。」

「知らなかったです。上位魔法を使うための訓練をしていたので。」

「そうなりますよね。確かに上位魔法は強いですから。でも、あれって基本使い勝手が悪いのであまり使ってないんですよ。」

「んー。確かにそうですね。」

「ちょっと話が脱線しましたけど、まず魔力のコントロールができるようにします。魔力の1度に出せる量はあとでいいです。そんなことは頭の片隅にでも入れといてください。」

「何でですか。」

「それはですね。1度に出せる量を増やしたところで魔力を無駄にするかも知れないからですよ。」

「そうなんですね。」

「今回の魔力のコントロールは魔力の安定性を高めることなので、30分ほど下位魔法を使うくらいの魔力を一定の形で保てればいいです。」

しおり