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第13話 アイカとウォン (3)

 まあ、そう言う訳だから元カレ、婚約者だった男ではない。ウォンとアイカは一時的にでも同じ屋根の下。この宮殿内で愛を語らい。食と床を共にしていた深い間柄だったのだから夫と妻。王と妃と言った関係で間違いないのだ。

 でも、女王アイカは元夫だった男ウォンから一緒に、この宮殿、この町、集落。此の国から逃走をしようよと。

「なぁ、アイカ。俺は、お前を助け、解放し。二人で此の国を再建。もう一度、周りの国や領地。集落の者達が恐れ平伏すような大国。強国へとしたい。導きたいのだ。だから夫の俺に協力し。支えて尽くして欲しいのだ。アイカ。お願いだ。頼むよ。……でないと? 俺が策を練り。牢から逃亡。逃走をしてまでも。アイカをここから解放するために仲間。家臣達ときた意味が無い。無意味になるではないか。アイカ……」と。

 ウォンは、最後には、元妻だった女王アイカに対して気落ち、落胆。今にも泣き出しそうな声音。彼らしくない弱気な声色、口調で元妻。……でも、彼的には、未だに自身の物、妃だと思っている女王アイカに対して、夫らしく泣き落とし作戦で、元妻から情をかい助けを乞おうと企て、嘆願を始めだすのだ。

 それも、今は他人の物。人の物。二国の皇帝健太の宝物の一人。心の拠り所の一人へと成長した皇后へと、抱き! 締め! 女王アイカの柔らかい唇の上に唇を重ね。自身の舌を蛇のように、巧みに動かしながら。女王アイカの口内へと侵入──。

「はぁ、はぁっ」、「うぐっ、ぐぐ」と。

 ウォンは荒い吐息。息遣いをしながら。元妻の口内を激しく。荒く。動かし。貪りながら堪能を始めるのだ。

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