216 やっと
もぐらさんはもふもふです。きもちいです。もふもふです。もふもふもふもふ~
『あ、あの?愛し子様?そろそろ離して?』
「や!さーや!さーやよぶゅまで、ぎゅううう!にゃにょ!」
『えぇぇぇ?』
『サーヤちゃんは愛し子とか、様とかで呼ばれたくないのですって。諦めて名前で呼んで上げてくださいまし』
『そうにゃ!サーヤちゃんか、呼び捨ての二択にゃ!』
アイナ様とニャーニャにゃんが見かねてもぐらさんにお話してます。
『えぇ?そ、それじゃ、サーヤちゃん?』
「あい。さーやでいいにょ」にこっ
『い、いや、サーヤちゃんで頼むだよ』
「ぶー。わかっちゃあ」
『そ、それで、そろそろ離してくれんかな?』
「ぶー」もふもふ~
『サーヤ、あんまり困らせるな。それに、ほら』
おいちゃんに剥がされちゃいました。
「や~ん」もふもふ~
『よっこいしょ。いつまで精霊樹あのままにする気だ?いい加減かわいそうすぎるだろ?何度目だ?このやり取り』
おいちゃんに抱っこされて精霊樹さんの方に向かされます。
「ふわぁぁぁぁ!ごめしゃい!ごめしゃい!ごめしゃい!」
『い、いや。気にするな』さわさわ
気にするよ~ごめんなさい!
『は、はあ、やっと離れてくれただ。心臓に悪いだよ』
『悪いな。サーヤの病気みたいなもんだ。慣れてくれ』
おいちゃん、ひどい。ぶー。
『あ、あはは。慣れる?』
なんですか?慣れてください。
〖はいはい。それじゃ、ちょっと計画変更ね。先に精霊樹に落ち着いてもらいましょう。その間に蒼たちに追加で腐葉土を運んでもらって、モールの…あら、名前は?〗
『ん?オイラか?名前はないだよ』
〖そう。それじゃ、名前はあとでサーヤにつけてもらうとして〗
「うにゅ?」
『え?』
今、何やらサラリと?
〖蒼たちと一緒に水の精霊樹をお願い出来るかしら?〗
『わ、分かった。やってみるだ』
〖きっとまた大きくなるだろうから少し広めにね。蒼、青磁、頼める?〗
『分かりました。できる限りやってみましょうかのぉ』
『じゃあ、モール殿。このじぃの背中に乗ってくれるかの。シールドは任せるのじゃ』
『お、おう。よろしく頼むだよ』
『それじゃ、行ってくるのぉ』
『また、アウルたちが戻ったら合図ですじゃ。では、いきますじゃ』
「いってらっちゃ~い」
パシャンと水の底に行っちゃいました。
〖さあ、じゃあ、今度こそやりましょう。悪かったわね。精霊樹。もう少し待ってね〗
『大丈夫です。サーヤ、アイナたちよろしく頼むぞ』さわさわ
「あい!」ビシッと敬礼です。そしたら土の妖精さんたちとココロまで
『『『『あい!』』』』
みゃっ『あいにゃ!』
みんなでビシッです!頑張るぞ~!
〖いや~ん♪かわいい~♪〗
『ジーニ様…かわいいのは分かりますわ。分かりますが、やりましょう。私の威信にかけて最高の土を精霊樹のために作りますわ!』
『そうにゃ!燃えるにゃ!』
アイナ様とニャーニャにゃんが燃えてます!
〖そ、そうね。お願いね〗
おぉ!あまりのメラメラぶりにジーニ様がちょっと押されてます。ガシッ!
「う?」肩が?
『他人事ではありませんのよ?サーヤちゃん。さあ、さっそく始めますわよ!』
『そうにゃ!やるにゃ!』
「あ、あい。がんばりゅ」
『それじゃあ、この辺り一帯、ただし泉の縁と、地中もやり過ぎないように注意ですわ。いきますわよ』
『サーヤちゃん、ゲンさん準備はいいかにゃ?』
「あい。しゅーちゅー」
地面にお手手置いて準備です。
『これだけのメンバーに俺必要か?』
『何言ってるにゃ!ゲンさんの魔力はとっても良質にゃ!必要にゃ!』
『そ、そうか?分かったよ』
おいちゃん、お顔がこわれてるよ?
『サーヤ…今、失礼なこと考えたな?』
なんのことですか?さあ、やりますよ?
『まったく』
『土の妖精さんたち、ココロもいきますわよ』
『『『『あ~い』』』』
『『『『まかせて~』』』』
みゃっ『やるにゃ!』
『それではいきますわよ。せーのっ』
ぼこぼこぼこぼこぼこぼこ
すごい勢いで辺りが耕されていきます。
土が踊ってるみたいです。
『これはすごいな』さわさわ
『ほんとねぇ』
『みなさん、そろそろ良さそうですわ。土が輝いていますわ。少しずつ力を収めてくださいまし』
土が踊るのをやめて落ち着きます。
『ご苦労様でしたわ。みなさん大丈夫ですか?』
「あ~い!」
『大丈夫だ』
『『『『だいじょうぶ~』』』』
『うまくいったかにゃ?』
みゃ?『かにゃ?』
目の前にはふかふかになった土が広がっています。まだ草とか生えてないので土がむき出しな感じです。大丈夫かな?
『精霊樹、ギリギリまで深く柔らかくしましたけど、いかがでしょうか?』
『試してみてにゃ』
「どうじょ!」ドキドキ
『それじゃ、ありがたく入らせてもらうよ』
ずしーんずしーんと歩いてから、この辺かな?と場所を決めて沈んでいきます。
『どうにゃどうにゃ?』
どきどきどきどき
『うん。気持ちいいぞ。しっかり足を伸ばせる』
お風呂みたいな感想だね
ぴょーんっ
『サーヤ、水の中も』
『大丈夫だ』
アウルたちが泉から飛び出てきました。
「あいがちょ~。じーにしゃま~」
〖それじゃ、さっきのメンバーは魔力を土に直接流してね。祈りながらすると尚いいわね。あとの子達は祈ってね。大地が健やかであるように、ここにいる家族を守ってくれるように。ね〗
「あ~い」
『それじゃ、魔力の誘導は私がしますわ。必ず青葉ちゃんの所まで届けますわ。それでは、皆さんいきますわよ』
『待って~精霊樹の中に戻るわぁ。ジーニ様、青葉にも伝えてくれるぅ?』
〖分かったけど、自分でだって伝えられるでしょうに。まったく。青葉、聞こえる?〗
《は、はい。聞こえます》
〖結葉が精霊樹の中に戻ったわ。青葉にも同じようにしてもらいたいみたい〗
《わ、分かりました。今…戻りました》
〖ありがとう。それじゃ、いくわよ?準備はいい?〗
《は、はい。いつでもどうぞ》
〖それじゃ、アイナ!いいわよ〗
『はい。それでは、みなさん、いきますわよ。せーのっ』
青葉ちゃんのところまで届け~
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