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148章 魔物退治

 一カ月ぶりくらいに、「アリアリトウ」にやってきた。

 幽霊騒ぎがあった直後ゆえに、住民はキョトンとした表情になっていた。生気は完全に失われ、亡霊が住み着いているかのようだった。これを見ているだけで、仕事に対するモチベーションはさがってしまう。

 ゴッドサマーを探していると、五分ほどで見つけることができた。

「アカネ、よくきたのじゃ」

 目にクマができていることから、睡眠をとれていないのが伝わってきた

「魔物退治はどこでするの」

「魔物退治は、この地域となっておるのじゃ」

 魔物の生息地域は、「アリアリトウ」から、かなり離れた場所となっていた。

「こんなに遠いところから、魔物は来ているんだね」

「そうなのじゃ。奴らは能力が高いから、ここまでやってきてしまうのじゃ」

「魔物の強さはどれくらいなの?」

「空気があったとしても、わらわは瞬殺される。巨大竜とアリくらいの差があるかな」

「聞いていたよりも強いような気がするけど・・・・・・」

「魔物の強さはよくわかっておらんじゃ。それゆえ、100パーセントを伝えるのは不可能なのじ
ゃ」

 仕事では信頼関係が重要だ。依頼者を欺くようなことはやめたほうがいい。

「とっても不安なんだけど・・・・・・」

「アカネの戦闘力ならなんとかなるはずじゃ・・・・・・・」

 ゴッドサマーと話をしていると、大きなブザーが鳴らされる。住民は身の安全を確保するた
め、大きな穴に身を伏せることとなった。

「魔物が近づいてきているようじゃ。アカネ、撃破してほしいのじゃ」

 ゴッドサマーもそれだけいうと、大きな穴に身を伏せることとなった。

 住民が隠れてから、三〇分後くらいに魔物が姿を見せた。身体はペンギンに近く、色はカラスに近かった。

 住民のいるところで戦うと、それ以上の被害が出ることになる。アカネはどのようにしていいのか、知恵を働かせることにした。

 カラスペンギンは、こちらに稲妻の魔法を唱えてきた。アカネは特殊なスキルを使用して、カラスペンギンの攻撃を無効化する。 

 アカネは地面に強力なバリアをはる。こうすることで、周囲に被害が及ばないようにした。

 カラスペンギンは、電流魔法で攻撃してきた。アカネは攻撃を無効にしたあと、炎魔法の攻撃を繰り出した。

 これで終わったかなと思っていると、カラスペンギンは攻撃を回避した。この光景を見たこと
で、魔物の強さを悟った。ゴッドサマー程度の実力では、カラスペンギンに瞬殺される。

 アカネは二度目の攻撃を仕掛けるも、こちらも回避されてしまった。二度も回避したことから、まぐれではないことを知った。カラスペンギンには、攻撃を目で認知している。

 一進一退の攻防が続き、一時間が経過しようとしていた。一体を撃破するのに、ここまでかかるとは思わなかった。

 唯一の救いといえるのは、魔物の動きが鈍ってきていること。長時間の戦いによって、スタミナを消耗している。

 アカネは疲れの見える敵に、炎の魔法を繰り出す。カラスペンギンにクリーンヒットし、魔物は絶命することとなった。

 魔物が倒れると、警報の音が鳴りやんだ。住民たちはそれを確認したあと、地上に姿を現した。

「アカネ様が、魔物を倒した」

「あれに勝つ者がいるとは」

「アカネ様、最高」

 しばらくすると、ゴッドサマーが姿を見せる。

「アカネ、すごすぎるのじゃ」

 スタミナは無限なので、疲れは感じていなかった。時間はかかったとしても、確実に倒していくことができそうだ。

「魔物の強さは、ある程度はつかめた。時間はかかると思うけど、どうにかなりそうな気がする」

「魔物の生息地帯に行き、数を減らしてほしいのじゃ。数が減ってしまえば、住民の生活は安泰
になると思うのじゃ」 

「わかった。これからいってくるね」

 アカネは能力を使用して、魔物の生息地帯にワープする。

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