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208 バレました

おいちゃ~ん、サーヤも連れてって~

『ほらぁ、それじゃあサーヤ早くぅ』
「うにゃあ~」
おいちゃ~んっ
ずるずると結葉様に連行されました。

『まずわぁ、精霊樹を一旦抜いてぇ、えいっ』
ごごごご・・・ずっぽん!まず根っこが地面に!片足?ずつ。そして
ずしーんずしーん・・・地面が揺れます

「ふわぁ~」
二度目だけど、根っこが土から出て歩く木って…

〖あ~懐かしい光景ねぇ〗
『そうだな・・・』
『我が子の規格外ぶりを認識した時でしたね・・・』
ジーニ様、アルコン様、ギン様が、ある日の光景を思い出して遠いところを見てます・・・

『お母様・・・』
アイナ様は初めて見る光景に愕然としてます。がんばって!

『露草は先に保護したから大丈夫よぉ♪だからねぇ、この泉の周りを全体的にふかふかにして欲しいわぁ♪』うふふ
「あ、あい」
逃げられません・・・

〖無茶苦茶ね。結葉…〗
『お母様…うぅぅ、サーヤちゃん、ごめんなさいですわ』
〖あ~アイナ、気をしっかり…〗
ああ、またアイナ様が泣いちゃった。ジーニ様がなぐさめてます。

『ほらほらぁ、サーヤお願ぁい♪』
「あ、あい」
がんばります

『サーヤちゃん、私もお手伝いいたしますわ』うううっ
泣いてたアイナ様が、
『せめてこの位させて頂きませんと、お詫びのしようがありませんわ』
と、手を取ってくれて、一緒に地面にお手手をついてくれます。

『精霊樹は大きいですわ。今でさえあの姿ですから。それに、あとで確実に大きくなりますから、かなり地中深くまで調べましょう』
「おっきくなりゅ?どちて?」
精霊樹はもう大人じゃないの?アイナ様、絶対おっきくなるって決めてるよね?

『それはですね、サーヤちゃんの力をもらった土なら、間違いなく養分たっぷりになるからですわ。それに祝福もされるはずですので、大きくなって当然ですわ。それに、私たちだけでなく、ゲンさんたちも若返ったのですよね?精霊樹にそれが起こっても不思議はありませんわ』
なぜそんな当たり前のことを?みたいな顔で言われちゃいました。

「しょうにゃんだ~」
へ~。サーヤの魔力は植物にあげる栄養剤?肥料かな?

『それではサーヤちゃん、さっきと同じですわ。私たちは水面に落ちた雫と同じ。私たちを中心に周りにも地中にも魔力を広げます。ちなみに上にも広げればさらに広範囲を探索出来ますが、今は地面から下に絞りましょう』

「あい」
集中~。丹田から~ぐるぐる~。

『とっても上手ですわ。では、体に魔力が回ったようですからいきますわよ。手の平から地中に意識を持っていきますわ。せーのっ』

アイナ様がこっちだよ~って教えてくれます。広く深く広がっていきます。

『あら。この下はちょっとした地底湖みたいになってますのね。綺麗ですわね』
アイナ様には、はっきり色つきで見えてるみたいです。サーヤにはまだぼんやり見えます。サーヤもがんばったらよく見えるようになるんだって。
それより、お水がキレイなのは

「あおばちゃんにょ、おかげ。あちょで、いっちょに、いこう」
とってもキレイだよ!

『青葉ちゃんの?どういう…え?えぇ!?どういうことですの!?この気配は精霊樹?でも、精霊樹は目の前に?でも、確かに?えぇ?でも、水の中ですし?え?』
アイナ様が
『あ、ありえませんわ。もしかして私、壊れてしまったのでしょうか?え?でも、たしかに?』
って、慌てだしちゃいました。大丈夫、間違ってないよ

「しょりぇは、あおばちゃんにょ、みじゅにょしぇいりぇいじゅ」

『え、えぇ?青葉ちゃんの水の精霊樹ですか?ど、どういうことでしょう?と、とりあえず探索を解きましょう。ゆっくり元に戻して。はい。大丈夫ですか?』
「あい。あいがちょ」
ふぅ~。まだ難しいです。でも、今度は誰もいなかったみたいだよ。

『そ、それで、青葉ちゃんの水の精霊樹とは、いったいなんですの?』
アイナ様がものすごく慌ててます。

「えっちょお、あにょにぇ~?」
どう説明したらいいかな?ぜったいショック受けるよね?

『ご主人~!どうしたにゃ!?何があったにゃ!?ご主人の気の乱れがすごかったにゃ!?』
みゃ~ん『ねぇね~まってにゃ~』
ニャーニャにゃんが何か感じたのかすごい勢いで走ってきました。土煙が…
その後をココロが追いかけてきます。

『ニャーニャ、それが…』
説明したくてもアイナ様自体、何がなにやらと、おろおろしてます。かわいそう・・・

〖あ~私が説明するわ。実はね…〗

見かねたジーニ様がお話しすると、アイナ様とニャーニャにゃんは呆然としちゃいました。おめ目も、お口もぱっかんです。事情が飲み込めてきたのか結葉様と青葉ちゃんを交互に見て、その内、だんだん…

みゃ、みゃ~ん『さ、さーにゃにゃん』ぴょんっ
「こ、こころ」ぎゅうっ

あまりの迫力にココロが飛びついてきました。ココロをぎゅってしたまま後ずさりします。途中で転びそうになったらいつの間にか来てたおいちゃんに抱き上げられました。
「お、おいちゃん」
いいところに~
『お、おう。この様子じゃ青葉ちゃんのことがバレたのか?』
おいちゃんも気づいたみたいです。
「あ、あい」

二人のお顔が~アイナ様から何か立ち上ってます。髪の毛がゆら~ってなってます!がくがくぶるぶる。

『あの、優しい穏やかなアイナ様が鬼の形相に…』
おいちゃんも後ずさりします。
みゃ~ん『おっきいごしゅじんと、ねぇねが、こわいにゃ~』
ニャーニャにゃんも、背中に何か見えるみたいです。ココロもぶるぶるです。

そうこうしてると、ジーニ様のお話が終わったみたいです。結葉様がそろりそろりと逃げようとして…

ずしゃっ
『いやぁん』

コケました。足元にはニャーニャにゃんがしがみついてます。

『ふ、ふふふ。思いもよらないことでしたけれど、これで、精霊王たちを全員呼ぶいい口実ができましたわぁ』ふふ、ふふふ

「あ、あいなしゃまが…」
みゃ~ん『ねぇねも、あんよ、はなさないにゃ』

『えぇ?そんなぁ、もうやっちゃったことだし、謝ったわよぉ?』
結葉様、そこで悪あがきしちゃう?そんなことしたら…

『うふふふ。お母様、何を仰ってらっしゃるのかしら?青葉ちゃんたちに謝るのは当然ですわぁ。いくらでも謝ってくださいな。ですが、私、感じますの』

『な、何をかしらぁ?』

『お母様、私が気づかなかったら、他の精霊王に知らせることなく、有耶無耶になさるおつもりでしたわね?私たちの大切な末の妹たちのことだといいますのに…』
あ、アイナ様の髪の毛が、更にゆらぁって立ち上ったぁ

『そ、そんなことはないわよぉ?落ち着いたら紹介しようと…ねぇ?』

〖ねぇ?って言われても、ねぇ〗
『え?え?』
『どうしよう』
『どうしたら』
『どうすれば』
『『『『『『どうしよう~』』』』』』
ジーニ様は呆れ、話を振られた青葉ちゃんと水中の精霊さん、妖精さんたちは、あわあわしてます。可哀想です。

『ねぇ?じゃ、ありませんわ!お母様!!』どごぉんっ
『は、はい!』

「ぴゃっ」
『みゃっ』
『うおっ』
ア、アイナ様が爆発しました!地面が揺れます!おいちゃんが慌ててサーヤをしっかり抱き直します。ココロもしがみついてます。

『そこにお直りなさい!まったく!あなたという方は!』どごぉんっ

『ご、ごめんなさぁい』
あぁぁぁ

『まあ、こうなるよなぁ』
『良い薬になれば良いのですが…』
『無理だろう』
おいちゃん、ギン様、アルコン様も、ドン引きです。みんなもかな……

『お母様!聞いてらっしゃいますの!?』ゴゴゴゴゴッ

『う、うわぁん』

『泣いてもダメですわ!』バシーンっ
『ご主人!もっとやれにゃ!』

あ~ぁ、しかたないね。

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