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アルーラ、女神と対話する

「それでヴィクトリア様、私に加護をあげる、と言ってましたが……」

『そうです、祠を綺麗にしたお礼ですよ。貴女には此処で生活をしていく為に必要な加護を与えましょう』

 加護を与えてくれるのは非常に嬉しい。が、私は少し引っかかる事があった。

「私、聖女とか特別な役職を持っていませんよ、それでも大丈夫なんでしょうか?」

 女神の加護は特殊な役職を持っている人々が授けられる、と言うのが古くから伝わる話だ。

 王族が正にそれで元婚約者も加護持ちだ、と聞いた事がある。具体的な事は知らないけど。

『あぁ〜、その事なら問題ありませんよ。私が認めた人物にしか加護は授けませんから。それに今の王族には加護は授けていません。アレは別の女神が授けたんです』

「別の女神?」

『慈愛の女神クラウディア、慈愛と言ってますがその本性は与えた加護で起きるドロドロの人間関係を楽しむ性悪です』

 はい?

 私、もしかしてとんでもない話を聞いてしまった?

 クラウディア様の事は勿論知ってますけどそんな性格なの?

『その後処理をやらされる私の身にもなってもらいたい物ですよ……』

 あ、何かヴィクトリア様の背後からどんよりした物が……。

 女神の世界も色々あるんですね。

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