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第11話 此の国の神殿にて……(4)

「ど、どうしよう?」

 女王アイカは、こんな台詞……。

 そう、彼女自身は、大変に困ったような声色で独り言を漏らしたのだ。

 だって宮殿の外で自分自身の為にと、漢戦士達が命をかけ投じながら争ってもらっていること自体は悪くはない。むしろ大変にありがたいことだと女王アイカは思ってはいるのだが。

 自分自身をこの窮屈な場所。自由が束縛された場所から解放をしてくれるのは、自身の主。二国の皇帝健太の率いる正規軍ではなくて、ウォンを旗頭にした謀反。反乱軍だから彼女。女王アイカは困って仕方がない、どころか? はた迷惑。頼むから自分を巻き込まないで欲しいと思い。願うのだよ。

 だから女王アイカは、自分をこの場。この狭い空間。部屋から解放をしようと威勢を上げ、意気込む者。漢戦士達には悪いのだが。自身の主、夫健太の指揮する親衛隊達に取り押さえられればよいと本気で思っているのだ。

 やっと彼女、女王アイカ自身は、夫健太の信用の方も回復してきたばかり。段々と、ゆるりではあるのだが。彼女自身が幸せだと思い始めてきたのと。どのみち遅かれ早かれ、この宮殿から女王アイカは出て、ジャポネの、堅固な居城で健太や他の妃達と暮らす話しにもなっているから。無理に自身をこの宮殿から連れ出し、自分達が思うがままの争い。戦に巻き込まないで欲しいと心から女王アイカは願っているので。

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