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200 うううぅ がんばって・・・


どうやら、結葉様、ここでも何かやらかしてたみたいです。

『ま、まさかですわよね?まさか、あれが?』
『血の盟約かにゃ?』
もう、アイナ様もニャーニャにゃんも地べたに崩折れてます。よよよ…

〖間違いないわねぇ。血の盟約よ。そんな騙し討ちみたいな血の盟約、初めて聞いたけどね。しかもそんな子供の頃に…〗
ジーニ様も呆れ果ててます。それで、かわいそうにっていう目で、アイナ様とニャーニャにゃんを見てます。サーヤもかわいそうって思うなぁ。

『ええ~、いいじゃなぁい。昔からこの二人は仲良しだったしぃ?ずっと一緒にいられるんだしぃ』
結葉様?開き直ってる?

〖だからって、あなた…騙し討ちみたいにニャーニャの運命を決めちゃったようなものじゃないの〗はあっ

う~ん?
「じーにしゃま?」
〖なぁに?サーヤ〗
「ちにょめいやく、にゃに?」
みゅ?『にゃんにゃ?』
分からないので、聞いてみます。ココロと二人で頭、こてんっです。
〖あ~ん!かわいい♪じゃなくて、血の盟約はね、名前で結ぶ契約より更に強いのよ。何せ自分たちの血を交換してるわけだからね〗
「ちにょ、こうかん」
うわぁ確かにすごそうです。

〖そうよ。だから片方が強くなれば、もう片方も強くなるし、絆が強ければ、来世でも一緒になる可能性もあるわ。ニャーニャは血の盟約を結んだことで、おそらく寿命とかアイナと一緒になってるんじゃないかしら?いくら妖精種が長命とはいえ、ケット・シーにしては異例なほど姿が変わらずに生きてるもの〗
そう言ってニャーニャにゃんを見ます。

『そうですわね。たしかに私と契約しているだけでは説明がつかないこともありますわ』
『そうにゃね、それじゃ、結葉様に感謝しなきゃいけないにゃね。複雑だけどにゃ』
『そうですわね。今もニャーニャと一緒にいられてますものね。それは感謝しないといけませんわね。複雑ですけれど』
たしかに、複雑です。

〖まぁ、わざわざ血の盟約を結ばなくても精霊王との契約だからね、仲もいいし同じようなことにはなっていたと思うわよ?〗
ちろりと、『ほらぁやっぱりぃ』とはしゃいでいる結葉様を見るジーニ様。

『やっぱり複雑ですわ』
『ほんとにゃ』
ジトーっとてした目でみんなで結葉様を見ます。

『ええ~?いいじゃないのぉ。いいことなんだしぃ?』
やらかしてる自覚はないみたいです。

〖この調子じゃ他の精霊王たちも、多かれ少なかれ何かしらされてそうねぇ〗
ほんとです。 会うのが楽しみなような、怖いような?お話聞くのがかわいそうなような?

『そうですわね。お母様が覚えているかは分かりませんが』
『少なからず何かしらはされてるはずにゃ~』
〖やっぱりねぇ〗
みんなで、は~ぁって、大きなため息です。サーヤも参加しておきます。ふぅ~ぅ

『んもう!なによぉ。何もしてないわよぉ?多分』
たぶん?

『それは、やってるってことだよな?きっと』
「あい。しょうおみょう」
おいちゃんはきっと正しい。多分。

『でも、まあ、これでニャーニャまで影響が強く出た訳は分かったな』
『そうですね。まさか血の盟約とは思いませんでしたが』
アルコン様とギン様が話していると
『ねぇねぇ、お父さん』
『どうした?ハク』
『あのね~、ぼくたちもサーヤと血の盟約した方がいいかな~?』
『え?』

ぴゅいきゅい『『おとうしゃん、おとうしゃん』』
『モモ、スイ…』
ぴゅい『わたちたちも』
きゅい『サーヤとしゅる?』
アルコン様とギン様が顔を見合わせてます。困ったなっていうお顔です。
『あのな?』
『それは…』
お父さん二人がどう説明しようかと言い淀んでいると

〖今はまだやめておいた方がいいかしらね〗
様子を見ていたジーニ様がお話に入って来ました。
『『ジーニ様…』』
ほっと、お父さん二人が明らかに息をついたのが分かりました。

『なんで~?』
ぴゅいきゅい『『だめ~?』』
ハクたちがジーニ様にどうして?て聞くと、ジーニ様はしゃがんで、ハクたちの頭をなでなでしながら優しい声で説明してくれます。

〖今は、ね。今はまだ、あなたたち魔法の練習を始めたばかりでしょう?あなた達だけじゃなく、サーヤもね。まだみんな魔力に馴染んでないでしょう?〗

『うん~』
ぴゅいきゅい『『でもぉ』』
ハクたちのは、それでもしたいのにってお顔です。

〖だけどね?本来なら、血の盟約はもっと大きくなってからね。と、言いたいところだけど、あなたたちはサーヤの力になりたいんでしょう?何より、ずっとそばにいたいのよね?〗
ジーニ様がとっても優しくお話してます。

『うん。ぼくたち、サーヤとずっと一緒がいいんだ~。だから、強くなりたいの』
ぴゅいぴゅい『ちのめいやくしたら~』
きゅいきゅい『つよくなれるんでしょ~?』
ハク、モモ、スイ、サーヤのため?

『ハク』
『モモ、スイ』
お父さん二人が少しウルッとしてる?

〖そうね。でも、だからこそ、もう少し待ってね。大きくなるまでとは言わないわ。もう少し魔法の練習頑張って。そうね意識しなくても常に魔力循環できるくらいになったらね〗にこっ

『そうしたら、血の盟約していい?』
ぴゅいきゅい『『していい?』』
ハクたちのお目目がキラキラしてきました。

〖ええ。でもね?お互いに一緒にいたいと思わないとだめよ。あとね、大きくなって、やっぱりやめた!とかは出来ないの。よく考えないとね。みんなの大切な一生のことだもの〗

『大丈夫!』
ぴゅいきゅい『『いっしょにいるよ!』』
『『ぼくたちも!』』
『わたしたちだって!』
『そうだよ!』
『わすれないで~!』
みゃあ『ココロもにゃ!』
ハクたちだけじゃなくて、ちびっこ達みんなする!って言い出しちゃいました!ココロまで?

〖ふふ。みんなサーヤが大好きだものね。良かったわね。サーヤ〗にこり
ジーニ様がにこって、良かったわねって。

「あい!さーにゃみょ、みんにゃ、だいすち!がんばりゅ!」
サーヤもみんなといたいもん!

〖ふふ。そうね。みんな、えらいわね。それじゃ、みんな魔法の練習頑張りましょうね!〗
「あ~い!」
『は~い!』
ぴゅいきゅい『『は~い!』』
『『がんばるよ~』』
『『『お~!』』』
みゃあ『ココロもにゃ~!』
みんながんばろうね!

『ハク、頼もしくなって・・・』うる
『ああ。モモとスイも偉いぞ』うるっ
お父さん二人、我が子の姿に涙腺が緩く?そんな光景を見て・・・

『いいですわね。羨ましいですわね。美しい光景ですわ。うぅぅ』
『ほんとにゃ。羨ましいにゃ』
『私たちだって』
『あんなふうに』
『『したかった(にゃ)ですわ~』』
抱き合って泣くアイナ様とニャーニャにゃん。

『気の毒にな…』
『ほんとうに…』
『『我が子達は幸せだ…』』
お父さん二人、我が子の幸運を実感・・・

『『うっうっうっ』』
アイナ様、ニャーニャにゃん、がんばって・・・

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お読みいただきありがとうございますm(*_ _)m

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