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第10話 ウォンの策(4)

 だから健太の口から再度『チッ!』と、舌打ちが漏れる。

 でも、健太も男だからここで、自身の妻を取り戻したい。取り返したいのだ。

 この世界の、シルフィーことアイカを。アイカのことを、この世界の自分であるウォンへと彼は安易に手渡す訳にはいかないのだ。

 だって全亜空間のシルフィー。健太の永遠の妃は、全部彼の物。所有物なのだと、皇帝健太。覇王……。魔王健太は思っているからね。

 只今、健太の率いる装甲怪鳥ミュウイ部隊を援護、サポートしているインプ種族の長ミライも、変わった魔力、妖力を使用できるのは、彼女が別の世界の女神シルフィーなのだから。

 彼女はこれ程、魔王健太から寵愛を受けている訳なのだ。

 だからウォンは、素早く魔王健太との、アイカをかけた戦。戦いに勝利しなければ、ミライに不思議な魔力。魔法をかけ、仕掛けられて、敗戦濃厚がより強くなると説明をしたところで。

「閣下ぁあああっ! 閣下ぁあああっ! 大丈夫ー! 大丈夫ですかぁあああっ!」と。

 ミライが主を、健太を危惧。心痛する程心配してやまない絶叫を吐きながら探索している声が、大きな笹耳を持つ、ウォンの耳へと、魔王健太よりも早く。素早く聞こえてきたから。

「(やべぇなぁ。ミライの奴がこっちに。チビを探索しながら向かっているな……)」と。

 彼は思ったところで、あること。

 今自分の物。許へと帰ってきたアイカが先程、自分自身へと告げた事を思い出し。

「(うぅ~ん)」と。物考えを少しばかりするウォンだった。


 ◇◇◇◇◇

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