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187 ニャンニャンニャニャーン♪

サーヤが道にしゃがみこんで左右に揺れながら何か歌っています。

「みゃいごにょ みゃいごにょ こにぇこしゃん~♪あにゃちゃにょ おにゃみゃ」パシッ
え?なんですか?

『ストップだ!お前そのまま名前聞いて、万が一そいつが名前答えたら即契約になりかねないだろうが。だいたい歌詞間違ってるよな?お名前は後だよな?先におうちを聞くんだろうが、おうちを』

「ふがふが」
ただいま、おいちゃんの手に口を塞がれてお話できないサーヤです。もがもが。
『あ、わりぃ』ぱっ
ぷはぁ~息できました。でも、お名前分からないと呼べないよ?
『そうだな。でもな?その子に親がいるかもしれないだろ?まだこんなちっちゃいんだから。サーヤが名前を呼んで、うっかり親の了解も無しに契約したら大変だろ?』
「うにゅー ごめしゃい」
おいちゃんの言う通りです。この子のお父さんお母さんどこかな?
お着替えしてたら、みんなが先に畑に行っちゃったので、おいちゃんたちと畑に行こうとしたら、にゃーにゃーの赤ちゃんが道におっこちてました。

『今のは異世界の歌ですか?可愛かったです♪』
きゅるる『そうね。ジーニ様いたら、きっと大変だったわね~』
えへへ、山桜桃お姉ちゃんと絹さんが褒めてくれました。
『ジーニ様のことだ。その辺に撮影小型ドローンがいるんじゃないか?』
きゅるる『そうかも』
そうなの?

『でも、何でこんなとこに、こんなちっこい猫が落ちてたんだ?先にみんな行ってるとはいえ、そんなに時間経ってないよな?』

そうなのです。不思議です。道のど真ん中にぺしょってしてました。おいちゃんも、みんなもキョロキョロしてみるけど、誰もいません。

「にゃーにゃーにょひりゃき?」なでなで

『いや、開いてないし、干してもないからな?第一、生きてるからな?』
ちがうの?…かっこがアジの開きに似てるよね?

『でも、ほんとに不思議ですよね?こんな所にいたらいくらなんでも見つけますよね?こんなにおちびちゃんでも』
きゅるる『ついさっき急に現れたとか?』
山桜桃お姉ちゃんも絹さんも不思議そうです。

ほんとにちっちゃいです。そのままの形でサーヤのおててに乗せてもらうと、サーヤのおてて二つ分です。おてての上でぺちょんしてます。
「やっぱち、にゃーにゃーにょひりゃき」じゅるり
『だから、干さないからな?』
分かってますよ。

きゅるる『あら?もしかしてこの子、ただのネコじゃない?』
絹さんがにゃーにゃーをじーって見てます。つんつんしてるけど、おっきしません。

「ふえ?」
『へ?』
『そうなんですか?』
じーっと見ても、にゃんこに見えます。それにしても
「おっき、ちにゃいにぇ?」
『お腹減ってるんでしょうか?』
『まあ、とにかく畑に連れていこう。ジーニ様たちに聞けば分かるだろ』
きゅるる『そうね』
『サーヤ、そいつ落とすなよ』
「あ~い」
しっかり持ちます。何しろ両手の平にぺしょんとしてるので抱っこできません。
おいちゃんがサーヤごと抱っこして、みんなのとこに行きます。子グモさんたちもおいちゃんの肩に登って、にゃんこを見てます。
きゅるる『ちっちゃ~い』
きゅるる『ぼくたちといっしょくらい?』
きゅるる『ぼくたちよりちっちゃい?』
きゅるる『おきないね~』
きゅるる『よくねてる~』
きゅるる『いきてるよね~?』
きゅるる『いきてるよ~』

『サーヤちゃん、私が抱きましょうか?なんだか、手がぷるぷるして…』
「へ、へいち」ぷるぷる
『そ、そうですか?』
山桜桃お姉ちゃんが心配そうに下から手を添えてくれてます。

『捧げたものみたいに持ってるなぁ。絹さん、猫じゃないならこれは何だ?』
きゅるる~『そうね、たぶん』

『ケット・シーですわ』
『にゃ~ん。そうにゃ』
突然、絹さんの声をさえぎって、聞いた事のない声がきこえました。

「ふぇ~?」
『え?』
『誰だ?』
きゅるる~『ケット・シー、やっぱり』
きゅるるん『『『おかあさん』』』
きゅるるん『『『『すご~い』』』』パチパチパチ
いつの間にいたのか目の前にはまたまた綺麗なほんわかお姉さんが…それと

『よかったですわ。見つかって』ふわりっ
『にゃ』

『えっと、どちら様でしょうか?』
おいちゃんも、突然現れたお姉さんにびっくりして聞きます。

ふわりと笑う美人さん。その肩にはにゃんこが座ってます。椅子に座るみたいに…

『うふふ。ごめんなさいですわ。驚かせてしまいましたわね』
『ごめんにゃ』

「ふぇ~?」
『ね、猫が喋った?』
『初めて見ました!』
きゅるる『あれはケット・シー。猫じゃなくて、妖精。ものすごく珍しいけど』
きゅるる~ん『『『へ~』』』
きゅるる~ん『『『『すご~い』』』』
みんなですごいね~って言ってると

『にゃ?ケット・シーより君たちの方がよっぽど珍しいにゃ!』にこ
『そうですわね。アラクネのお子様というだけでも珍しいですのに、更に男の子のアラクネもいらっしゃいますのね。初めてお会いしましたわ』ふわり
ふんわり美人さんとケット・シーさんがニコニコしながら教えてくれます。

きゅるるん『『『ぼくたち?』』』
きゅるるん『『『『わたしたちも?』』』』
『はいですわ』
『とっても珍しいにゃよ』
「しょうにゃにょ?」
そういえば、ジーニ様たちも男の子は珍しいって言ってたかも?女の子も珍しかったんだね。
ところで、そろそろお手手が……ぷるぷるぶるぶる

「にゃ!ごめんにゃ!その子ありがとにゃ!」
大人のケット・シーがふんわり美人さんの肩からピョンっと飛び降りると、なんと二本足で走って来ました!

「ほえ~」
おいちゃんが地面に下ろしてくれたので、にゃーにゃーを渡します。
「にゃーにゃーにょ、ひりゃきちゃん、おちちぇちゃにょ」
『にゃーにゃーのひらきにゃ?』
ケット・シーは受け取りながら首をひねってます。にゃんこがにゃんこを抱っこしてます。かわいいです。

『あ~、アジの開きっていう、俺たちの故郷の魚料理みたいな格好で道の真ん中に落ちてたんだよ』
おいちゃんが苦笑いしながら言います。

『そ、そうだったのにゃ?お魚は好きにゃけど、この子は食べにゃいで欲しいにゃ』
「あい。さーにゃ、ちゃべにゃい。もっちぇきちゃ」
食べないよ!かわいいにゃんこ。もふもふは小さくても正義!

『ありがとにゃ。あなたが愛し子様のサーヤ様にゃ?ケット・シーにょ、ニャーニャにゃ。よろしくですにゃ』ぺこり

「う?にゃーにゃにゃ?」
お名前かな?

『ニャーニャ。が、にゃまえにゃ!ご主人のネーミングセンスがダメダメにゃのにゃ』

「にゃーにゃ、かわいいにょ?」
言いやすいし!

『そうかにゃ?安直にゃ…』
『そうですわよね?分かってくれて嬉しいですわ!愛し子様。この子の話し方で、これ以外のかわいい名前はないですわよね?それなのに、いつもこんな言い方するのですのよ!』
『ご主人ひどいにゃ!ニャーニャがお話してたのにゃ!』
『あら、ニャーニャだけずるいですわ!』
お~!マシンガントーク!
「んちょ?」
そういえば、まだ誰か聞いてませんでした。

『あら。失礼いたしましたわ。初めまして愛し子様。|私《わたくし》は地の精霊王ですわ。よろしくお願いいたしますですわ』にこり

「ほえ?」
地の精霊王様?

☆。.:*・゜☆。.:*・゜
お読みいただきありがとうございます(*^^*)
今月もよろしくお願いしますm(_ _)m
本編再開早々、新キャラ登場です。登場人物紹介したばっかりなのに。

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