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184 ジーニ様の衝撃!

今度は自分たちにクリーンをかける番です。がんばるよ!

〖今度は自分たちね。そうそう、ゲン。毛穴って何?〗
ジーニ様からの突然の質問。

『へ?』
おいちゃん、まさかそこを聞かれると思わなかったんだね。おまぬけな顔になってますよ。

〖だから、さっきゲンが言ってたじゃない。毛穴って何?〗
おいちゃんが変な声出したから、ジーニ様がもう一回言いました。

『そ、そうだったな。え~っとな、例えば毛を抜くとそこが穴みたいに見えるだろ?そこが毛穴でそこから毛が生えるんだけど、その下にな、こういう…』
なんとか気を取り直したおいちゃん。そう言いながら、また水で指を濡らして、あっその水はおいちゃんが魔法で出してるみたい。
テーブルの上に絵を書き出しました。アウルが『もう!せっかく綺麗にしたのに!』と言ってます。ごめんね。

『こういう毛根って袋があって、ここから栄養が毛に行くんだけどな?不潔にして、汚れや油で毛穴を塞いだり、頭がこって血流が悪くなったりすると』
〖すると?〗
『臭くなったり、毛が抜けたりして…』
〖抜けたりして?〗ごくっ
『薄毛やハゲに繋がる』
〖な、なんてこと…〗ガーンっ
そ、そんなにショック?ジーニ様フサフサだけど?

『まあ、逆をいえば、そこをちゃんとケアすれば今の髪は保たれ、上手くすれば、』
〖上手くすれば?なに?〗ずずいっ
こ、こわい
『ハリとコシとツヤが復活する。かも?』
〖分かったわ〗ギランっ
ジーニ様、お目目がギラギラ?

『あっでも、やりすぎるなよ!髪にはある程度の水分と油分は必要だからな!乾燥しすぎは良くない!乾燥肌とパサパサの髪になる!あくまで毛穴の汚れと表面的な汚れな!』
ジーニ様のただならぬ気迫に慌てるおいちゃん。

『うふふ♪ゲンが慌てる姿は貴重ねぇ~♪』
結葉様、楽しまないでください。それにおいちゃんのこの姿、最近よく見るよ。結葉様がおいちゃんで遊ぶから。
『うふふ♪』

〖分かったわ。みんな、さっきのお皿である程度イメージ出来てるわよね?さっきはイメージしやすいように、あえて「クリーン」と口に出してもらったけど、イメージさえ出来ていれば口に出さなくても出来るわ〗

『ジーニ様それは無詠唱と言うことですか?』
山桜桃お姉ちゃんの質問に

〖他の子には前に少し話したんだけどね?私に言わせると、まあ、魔法の名前を唱えるくらいはいいと思うわよ?安全な時ならね。でも、長々と唱えるあの詠唱は無意味〗

『『え?』』
山桜桃お姉ちゃんと春陽お兄ちゃんの声がハモリます。お耳もまたまたピーンっです。

〖だって、魔法を使う時にあんな詠唱いちいちしてたら、肝心な時に使えなくて死ぬわよ?練習じゃないんだから、実践で敵が詠唱を唱え終わるまでご親切に待ってくれると思う?静かなところで隠れて魔法を使っても声を出したら見つかるわよ?たとえ魔法の名前だけでもね〗ふんっ

『そ、それは』
『ごもっともです』
なんだか怒りが滲んできたジーニ様の迫力に山桜桃お姉ちゃんたちタジタジです。

『そうよぉ~?詠唱なんてそもそもイメージ出来ない頭カチカチの偉ぶった人間とエルフが付け出して、威厳だかなんだか保つ為にどんどん飾り立てただけなんだからぁ』
結葉様も参戦しちゃいました。ほんとによっぽど酷い目にあったんだね。
〖『まったく!どうしようもない思い上がりよ!』〗
ピシャッ!ドーン!と効果音が入りそうなほどのお怒りです。
『『は、はいっ』』びくうっ
あ~お姉ちゃんたち、怯えちゃったよ。

『ま、まあ、それだけ魔法は本来、柔軟で豊かなイメージが大事ってことだな』
『『そ、そうですね』』へにゃと
おいちゃん、勇者です!助け舟出した!

『そ、そうねぇ。おほほほ~』
結葉様…ごまかせてないですよ?
〖そ、そうね。みんな一緒である必要は無いわ。自分が一番分かりやすいイメージでいいの〗
『『は、はい』』
ジーニ様も、無駄なあがき…
〖サーヤ?〗
なんでもありませんよ?ジーニ様は素敵です。

〖コホン。初めはゆっくり丁寧にイメージしたっていいわ。それを自分に覚え込ませるの。それをだんだん早く素早く一瞬で発動できるようになれば、連続で魔法を放つことも、複合魔法だって自在に操れるようになる。そして、常に体に魔素を取り入れ循環させ、魔力を身体中に張り巡らせておけば、いつでもすぐに反応できるようになるわよ〗

『『は、はい。がんばります!』』
ジーニ様かっこいい~♪
〖あら♪もっと褒めて♪〗
さすが魔神様!ぱちぱち!
〖いや~ん♪ありがとう~〗
『ジーニ様…』
台無しになりますよ。おいちゃんの心の声が聞こえます。
〖や、やぁね!冗談よ♪〗
え~?

〖コホン。それじゃ、イメージして〗
ジーニ様、二度目のお咳ですね。
『ジーニ様、出来れば口の中の歯の隙間や舌までやるつもりで頼む〗
おいちゃん、細かい注文。でも、大事大事。

〖分かったわ。たしか口の汚れは病気の元になるんだったわね。全身くまなく意識して、イメージ出来たら、口には出さずに頭の中で唱えるのよ…クリーン!〗

ぴかあっふわあ~

ぴかっと光ったあと、爽やかな風まで吹いた感じがして、みんなを見たら…

「ふわぁ?みんにゃ、どちたにょ~?」

みんな、肌はつやつや、服も綺麗?心無しかピシッとしたような~
髪の毛や、動物達も毛が根元からふんわりつやつや~
白い歯も眩しいです!きらんっです。

〖な、なにこれ。この髪の毛…白く輝く歯はツルツルだわ〗
ジーニ様、いつの間に自分だけ鏡を?
〖わ、私ですらイメージが足りなかったということなのね?〗
ジーニ様、よっぽどショックだったみたいで、ワナワナしてます。か、鏡割れちゃうよ?

『いや、イメージというより、知識だろうな』
おいちゃん、ジーニ様に違うと言います。

〖知識…?〗くわっ
ジーニ様、目をそんな開いておいちゃん見ないであげて~っ

『そうだ。俺たちがいた世界は魔法はない世界だ。だから、化学や医療なんかは長い時間をかけ、色々発展し解明してきた。俺たちはその見も知らぬ先人たちが解明してきたことを、知識として知っている。だけど、この世界は魔法があるからそれが発展しない』
おいちゃんが真面目なお顔で説明です。

〖ええ。その通りだわ〗
ジーニ様も頷いてます。そうか、便利すぎると違う面が発展しないんだね。

『だから、俺たちの知識とジーニ様の魔法があれば』
〖より、強くなる。となれば勉強も必要ね〗
『そうだな』
〖やることが増えたわね。ふふふ〗
おいちゃんとジーニ様が手をガシッと握手して笑ってます。でもぉすっごい…

ぴゅいきゅい『『うわぁ』』
『すっごい、悪…楽しそうな顔だね~』
ハクってば、地獄なお耳を持つジーニ様がじろってしたから言い直したんだね。それよりそれより~

「はくぅ~もふもふ~」ばふっ
がまんできません!
『サーヤ~♪クリーンかけたら、ぼくもっとふわふわだよ~♪』にこっ
「しゅごーいにぇ~♪」
ふわふわのもふもふ~♪

『ぼくたちだって~』
『ふわふわだよ~』
「ふるーみょ、ふらいみょ、もふもふ~♪」ぎゅむ~
もふもふいっぱい!しあわせ~♪
『『えへへ~』』
『うふふ~』

クリーン大成功だね!

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お読みいただきありがとうございますm(*_ _)m

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