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第19話 エルフな勇者さまは、鋼の乗り物を見て驚きます! (7)

 まあ、そんな容姿の僕の愛車……と、いうか? エルの物でもあるから。僕達夫婦の愛車の一つである真っ赤なホンダN360Ⅲこと【Nコロ】の容姿を凝視しながらエルは。

「こ、これって、本当に走るの、一樹?」と。

 ホンダN360ⅢことNコロのボディを『コンコン』と、心地良い音を立て、出しながら。エルの元勇者らしくないしなやか指で叩きながら。

「……この派手な色の乗り物、自動車と言う名前の物だってけぇ? これって、鋼でできているようだけれど。何かに繋いで引かす……。そう、私の住んで居た世界のように、バロンやガロン、ギガロンに繋いで引かなくても本当に動くの?」と。

 己の首を傾げ、また可愛い顔で尋ねてくるから。

「もう、エルは何で? そんなにも可愛い顔をしながら僕を誘うように尋ねるの……。ほら、見ていて、今からNコロのエンジンをかけてみせるからちょっとまっていてね」と。

 僕は自身の妻へと苦笑い。また欲情心をそそるような行為、仕草をしないで欲しいと嘆願しながら。Nコロの運転席側の扉を『ガチャ』と、音を立てながら開けて、己のポケットから車の鍵、キーを出して、『ブル、ル~ン!』と、音を出しエンジンを、エルの目の前の先でしてみせる。





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