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第9話 監禁・捕らわれの身……(2)

 彼は、王は、健太は、女王アイカ、己の妃を凝視しても「……」と、無言、沈黙を続けるだけで。自身、皇帝陛下へと平然と悪態をついてくる妻に対して、惚れた弱みとでも、言ったらよろしいのだろうか? 素知らぬ振りで、スゥ~と、彼女、自身の未だ妻、妃、物、所有物である。アイカの寝所へと忍び込み。嫌がる。抵抗を試みようと暴れ、もがく。泣く妻に対して、男の性と欲望、独占欲。そして快楽を求め成就しようと健太は試みてくる。

 だから最初は、嫌がり、抵抗を試み、暴れ、泣き叫ぶ女王アイカも、夫健太のオスとしての欲望心の終わり。後半。昇天と成就が近づけば、泣きは泣くのだが。別の意味……。本人自身も王に、夫に愛され満足しながら、声にならない声音で啜り泣くことを繰り返す日々が。あの日の、夫が、王が、健太が国、自分や他の妃達の許へと帰還をせずに、『戦後処理をするのだ!』と、妻達に偽りながら。新たな妃達を迎えた日の数日後から続いているから。見よう、見方によれば、この夫婦は、元の鞘、大変に仲の良い夫婦生活に戻っているようにも見える。見えるのだが。

 実際健太自身も最初の頃のように、女王アイカ。妻の事を冷めた冷たい目と瞳で、見詰めることしかしないが、なくなり。いつもの、以前の頃のように女王アイカのことを優しく、緩やかな顔、目、瞳で、温かく見詰め、見守るようになった。……どころではない?

 一度他人に寝取られた為だろうか?

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