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173 はげちゃびんの危機

もっふもっふもっふもっふ♪
ハクより毛足が長いギン様のもふもふ♪すごいです。サーヤ埋もれちゃいます。しかもお風呂上がりです。ふさふさもふもふきもちい~♪くんくん、いい匂い~♪幸せ気分をもっと堪能したかったのに

『ほら、サーヤ着いたぞ』
「ふえ~?」
もうお家?はやい~。ぶー。
『これでもかなりゆっくり歩いたのだがな』
苦笑いのギン様に
『そうねぇ。かなりゆっくりだったわよねぇ』
結葉様がくすくす笑ってます。
そうなの?それは、ありがとうございます。でも、残念~もふもふ~ぅ。

『サーヤ~、今度はぼくに乗ればいいよ~』
「はく~」
ありがとう~。ハクももふもふ~。しっぽがふさふさゆらゆら、サーヤを呼んでます。

『はいはい。じゃあ、ハクに乗り換えますよぉ~。よいしょぉ』
またまた結葉様がサーヤを抱き上げてハクに乗せてくれました。
「あいがちょ~」
『どういたしましてぇ♪』
「ぎんしゃまみょ、あいがちょ~」
『ふふ。どういたしまして』
また、もふもふさせてね。それじゃあ

「はく~、りびんぎゅ、いこ~」
きっとみんな待ってるね。
『行こう~♪』
ハククッション~ハクも、もふもふ~♪ん?みんなは?はたと、みんながいないことに気づきました。いつもだったら一緒にハクの背中に乗るのに?

『双子に妖精たちよ、お前たちは降りないのか?』
ギン様もそれに気づいて声をかけたけど

『『……』』しーん…

「うにゅ?」
『あらぁ?』
『あれ~?』
『『みんな~?』』
あれぇ?お返事がない?
もう一回結葉様に抱っこしてもらってギン様の背中を見ると

ぴゅきゅ~『『ぷひゅーきゅひゅー』』
『『『すーすー』』』

『あれ~?もしかして~』
「ねんね、ちてる?」
『『そうかも?』』
とっても気持ちよさそうな寝息が聞こえます。お風呂上がりでぽかぽかで、ギン様が気持ちよくて、ゆっくり歩いてくれたからゆらゆら気持ちよくて、寝ちゃった?
『あらぁ本当。完全に寝てるわねぇ。取れるかしらぁ?』
『なに?こら、モモ!スイ!起きなさい!』
自分の背中を確認して慌てて双子を起こすギン様。でも

ぴゅきゅ~『『ぴぷーきゅぷー』』
変わってるけどかわい寝息が聞こえます。起きません。

『妖精たちも起きてぇ』
結葉様も妖精たちを起こそうとするけど

『『『すぴーくぴー』』』
こっちも寝息が聞こえるだけです。まったく起きません。みんなギン様に埋もれてスリスリしながら寝てます。

『サーヤ、ハクの上に戻ってねぇ。引っ張ってみるわぁ』
「あい」
分かったよ。お願いします。

『ん~よいしょぉ~。起きてぇ...あらぁ~だめだわぁ』
結葉様が双子も妖精トリオも引っ張ったり、揺すったりしてみたけど剥がれません。
『どうするぅ~?また剥がれないわよ~』
『な、なんだと?』
「ふぇ~?」
『ありゃ~』
『すご~いお手手見て~』
『うわぁ~思いっきり握っちゃってるね~』
フライとフルーもギン様の背中に行って結葉様をお手伝いしたけど、双子たちギン様の毛をしっかり握ちゃってびくともしません。
『『ぴゅひゅ~きゅひゅ~』』
『『『く~す~ぅ』』』
うわぁ。起きない~。

『う~ん、かくなる上はぁ、アルコ~ン来てぇ~』
結葉様がアルコン様を呼びました。

『なんだ?』
先にリビングに入っていたアルコン様が戻ってきました。
『これよこれぇ』
結葉様がギン様の背中を指さすと

『は?またか!モモ、スイ!起きなさい!』
『『ぴゅきゅ~…』』
アルコン様がゆさゆさゆすって起こします。でもやっぱり起きません。

『ねえ~?とりあえず、中でやったらどうかな~?』
ハクが提案したけど
『そうしたいのだが、実はいつもここで少し小さくなってから家に入っていたのだけどな?これではな...』
『あちゃ~』
なんと、ギン様、普段の大きさだと通れなくて、毎回出入口でサイズ調整してたんだって。

『あ~玄関だけ小さいもんねぇ~』
小さいというか普通なんだけど、ギン様には小さいよね。こうなったら
「じーにしゃま、よびょう」
『そうね。じゃあ、一緒によびましょうかぁ。きっとサーヤが呼んだらすぐ来るわよぉ』
「うにゅ?あい」
そうかな?
『絶対よぉ。それじゃあ、せーのっ』
『「ジーニ様(しゃま)ーっ」』
〖どうしたの?サーヤ〗
ばびゅんっ!ジーニ様もやって来ました。ほんとに直ぐに!
〖ほらねぇ?〗
「あい」
ほんとでした。はっ!それより

「ちょりぇにゃいにょ~、あちょ、ちょおりぇにゃいにょ~」
〖え?取れない?通れない?〗
どういうこと?ってお顔してます。
『これよ、これぇ』
だから、結葉様がまた教えてあげると

『『ぴゅきゅ~ふ』』
『『『ぷひ~くぴ~』』』

〖えぇ?またなの?とりあえず中に…あぁ、そういうこと〗
自体を察したジーニ様。
ぴっと指さしただけで玄関が大きくなりました。

「しゅご~」
〖ありがとう~。ギン、悪かったわね。でも、次から遠慮しないで言ってね〗
『はい。ありがとうございます』
〖さ、入りましょう〗
「あい!」
『サーヤ~つかまってね~』
「あ~い」
リビングに行くとみんないません。あれぇ?どこ行ったの?

『お~い。こっちだ。サーヤの寝室』
「ふにゅ?おいちゃん?」
『寝室で何してるんだろね~?』
「にぇ~?」
訳分からないまま行ってみると、な、なんということでしょう!
お部屋の中に木が!!

『サーヤ、どうだ?』
「き、どーん」
なんで?どして?ここ、お部屋の中だよね?
『サーヤ、よく見て~木だけじゃないよ~』
「うにゅ?」
ハク?
『ベッドと』
『おふとん』
『『増えてる~』』
「ほぇ?」
フライとフルーにも言われて、よく見るとベットの足元に少し小さいお布団が。木の上にもちょこちょこカゴがあって、おふとんみたいの入ってます。小さいお家みたいなのもあるし、ベッドの隣にも小さめのベッドがあります。

『どうだ?』ふふん
おいちゃん、ドヤ顔です。

「しゅご~。こりぇ、どちちゃにょ~?」
色んなお布団~しかもかわい〜♪
『今朝大変だったって話聞いてな?サーヤにくっつきたいのもあったかもしれないけど、寝方が本来の習性に合ってなかったんじゃないかと思ってな?今までどんな風に寝てたか聞いて、寝床を作ってみたんだよ』
「ほえ~」
さすがおいちゃんです。

『じゃあ、これ、ぼくのだね~』
ハクはベッドの足元にあった小さいお布団のところに行きました。
『じゃあ、ぼくは、木の上のあのお家かな?』
フライが入ります
『ぼくは木の枝のベッドかな?』
フルーはひょいっと乗りました。
『当たりだ。まあ、休憩スペースみたいのも作ったし、一応、木の洞もあるからな』
『日替わりで』
『寝れそう~』
フライとフルーが木を駆け巡ってます。

『そうだな。寝にくかったら言えよ?そんで、双子が抱き枕つきのベッドで、妖精トリオはその花のカゴの中だな』
「ふお~しゅごい」
お花きれ~♪
『おいちゃん、ありがとう~』
『『ありがとう』』
『どういたしまして。それで?双子たちは?』
『ここよぉ~』
『ここ?あちゃ~』
しっかりギン様にしがみついて寝てるのを確認したらしいです。
「はにゃりぇにゃいにょ~」
『ん~くすぐってみたか?』
『まだだよ~』
『でもな、くすぐって、無意識に双子にブレスでも吐かれたらギンの背中が…』
アルコン様が申し訳なさそうに言います。たしかにブレスはダメだよね。

『しっかり毛を握ってるものねぇ…ギンには申し訳ないけどぉ、切るしかないかしらぁ?』

「ぢゃめー!」
結葉様、なんてことを!
しょんな立派なもふもふを!はげちゃびんはダメ~!!
『サーヤ…はげちゃびんって』
ギン様、ダメなものはダメだよ!もふもふは正義なんだから!
『そ、そうか…』
そうだよ!

きゅるるる『どうしたの?』
〖あっ 絹ならどう?朝はがせたでしょ?〗
きゅるるる?『なあに?あらぁ、これは、無理かも』
『どうしてだ?』
きゅるるる『サーヤの時は、毛を掴んでるわけじゃなかったから、剥がせたけど、今回は、掴んでるから…』
『下手したら毛ごとむしれる。か?』
きゅるるる『そう』
ええ~?はげちゃびんは絶対ダメです!

「こまっちゃ」
う~ん、ってみんなで悩んでたら

〖あ!あれは?ゲンがサーヤにやった。ほら…〗
ジーニ様がみんなにごにょごにょ
みんなで頷きあいます。

『あ~美味しかったわねぇ~』
〖スイとモモと妖精トリオの分どおする?〗
『食べちゃおうか~?』
『『食べちゃおう~』』
「ちゃお~♪」
題して、『モモたちの分のご馳走食べちゃお!寝てるんだからいいよね!作戦』です。すると

ぴょいきゅい~『『だめ~』』がばっ
『『『たべる~』』』がばっ

あっ!一発で起きた!

ぴゅいきゅい『『あれ?』』
『『『ごちそうは~?』』』
モモたち、寝ぼけてキョロキョロしてます。

『そんなの、ないわよぉ』
〖やっと起きたわね~〗
『ジーニ様の作戦大成功でしたね』
『まったく、ギンの背中に穴が開かなくてよかった』
「はげちゃびん、せーふ」
『そうだな。セーフだな』
『も~ スイたち、いくらお父さん気持ちいいからって~』
『『寝ちゃだめだめ~』』
ホントだよ~

きゅいぴゅい『『ごめんなさい』』
『『『ごめんなさい』』』
素直に謝る双子と妖精トリオでした。

ギン様のもふもふがはげちゃびんから守られてよかったね!もふもふは正義!
もふもふもふもふ~ん♪

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