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89章 ゴッドサマーが倒れる

 アカネにある疑問点が浮かぶこととなった。

「こちらのお金をアリアリトウでは使えるの」

「セカンドライフの街」とアリアリトウのお金を両替できるのだろうか。それができなければ、紙くずを手に入れただけとなる。

「お金を食料に変えたあと、テレポーテーションで送るのじゃ。食べ物に関しては、どこの国も大きくは変わらない」

 食料にするという手があったか。アカネにはその発想はなかった。

「交流を持つことによって、お金を両替できるようになる。現在は無理だとしても、将来的には行けるはずじゃ」

 国が違ったとしても両替はできる。二国間においても、そうなっていくのかもしれない。

 アカネはしばらく考えたのち、

「ゴッドサマーに仕事を分けてもいいけど条件がある」

 といった。ゴッドサマーはその話を聞いて、大いに興奮していた。

「どうすればいいんじゃ」

「街の人間と親しくなること。それができない場合は、仕事を譲ることはできないよ」

 裏世界の住民のトラウマがあるので、異世界の生き物に警戒心を抱いている。そのような状態
では、仕事の依頼を受けるのは厳しいといえる。

「わかった、やってみる」

 ゴッドサマーはお腹をおさえる。腹痛なのかなと思っていると、全く違っていた。

「申し訳ないけど、食べ物を食べさせてくれないか。こちらにやってくるまで、一週間くらい何も食べていない・・・・・・」

 魔物であるにもかかわらず、瞬間移動のスキルを身に着けていないのか。見た目は強そうではあるものの、中身はそれほどではないのかもしれない。

 ゴッドサマーは力が抜けたのか、地面に倒れてしまった。アカネはすぐに回復魔法をかけることにした。

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