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第18話 その後? (8)

「それでも何か、自分自身が刑、罰を受けていると言うか? 私自身は一樹の、魔王の妻、妃となっている訳だから。普通に仲良くしたり。会話……。普通に話しをしているけれど。本来ならば捕虜、人質と変わらない身分の上に。魔王、魔族からしてみたら私は、敵の司令官であり。仲間、同僚を沢山殺してきた憎むべき敵。怨敵になる訳だから。私のこの身を八つ裂き、釜茹でで煮て、煮詰めて食しても、怨霊、怨念、憎悪は収まらない立場、女になる訳でね。本来は、魔族、亜人の裏切り者でもある私が、こんなにも悠々とした生活を営む事なんてできない。できる筈ない身分、身に上だから。お風呂に入る。そして、ガスと言う物で、湯を沸かす。沸すとね。私自身が刑、罰を与えられている錯覚を起こすと言うか……。一樹の事。魔王の事を、信用をしていないと言う事は無いのよ……。只ね……」と。

 僕のエルがまた、『魔王』と、言った言葉、単語を使用しながら気落ち。心細い声音で僕へと説明をしてくれた。更にこんな台詞も加えてね。

「私自身も魔王の部下や、従わぬ亜人の民達を沢山残虐非道に殺戮、殺して、魔王城迄迫ったの……。その間にね。串刺しや湯鍋で煮殺しだって、笑いながらしてきたの……。だからお風呂に入り。湯を沸かすと言う行為が怖い。恐ろしいの……。私が平然と下知をくだし。殺してきた人達の悲痛な顔、表情。叫び声が聞こえると、言うか、思い出してきたから。一人でお風呂に入るのが怖い。怖いの、一樹……。本当にごめんなさい。と、言うか? 一緒に入ってお願いだからあなた。あなた、お願い……」と。

 エルは自身の大きくて可愛い笹耳を両手で押え、悲痛な顔と声色で僕へと嘆願をしてきたのだ。相変わらず、何処の誰だかわからない男、『魔王』と呼ばれる。呼んでいる男と、僕を勘違いしながらだけど。

 僕のエルが何でお風呂に一人で入るのが怖い。畏怖してしまうのか。その訳を僕に説明をしてくれたのだ。



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