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147 エンシェントスライムさんたちの、番!

エンシェントスライムのご夫婦、金色さんと銀色さん。そのまんま、きんさん、ぎんさんでは、ギン様と名前が被ってしまう。
外国語シリーズでいった方がいいかなぁ。今ブームの漢字がいいって言われたら、おいちゃんに丸投げしよう♪

う~んと、異世界辞書~!
金と銀セットでお願い~。えっとぉ~

英語は、ゴールド、シルバー。やっぱり英語はないかなぁ…次~
フランス語は、オール、アルジャン
イタリア語は、オーロ、アルジェント
ギリシャ語は、クリューソス、アルギュロス
ラテン語は、アウルム、アルゲントゥム

ほぇ~?銀はほとんどアルから始まるんだね~。世界中の偉い人が相談したのかな~?まあ、いっかあ。それじゃ、アルコン様いるけど、銀色さんはアルでいいかな?似ちゃうけど許してもらおう。
あと、金は~クリューソス、頭とってクリュ?ちょっと可愛い。でも、アウルムのアウルも可愛いし、アルと合わせるとそっくり夫婦みたい?う~ん。
どうしたらいいかな?

「あうる、ある。くりゅ、ある」
とりあえず、言ってみた。

『サーヤ、それスライムさんたちのお名前?』
フゥが声をかけてくれました。
「あい」
でもね~?
『どっちがいいか迷ってるのか?』
クゥが言います。
「あい」
そうなの~。

『あらあらぁ、サーヤ、もう一回言ってみてぇ?』
〖そうね。みんなに聞かせてくれる?〗
結葉様とジーニ様がみんなにも聞いてみましょって。
「あい。あうる、ある」
金色さんと、銀色さんを指さしながら言います。
『それと?』
『もうひとつは?』
フゥとクゥが顔を覗きこんできながら聞いてきました。
「くりゅ、ある」
やっぱり指さしながら言います。

『う~ん。アウルとアルに、クリュとアル』
『どっちも銀色スライムはアルなんだな。どっちの組み合わせもいいよな』
フゥとクゥが、う~ん。ってうなってます。
『そうね、迷うわね~。名前が似てて夫婦っぽいのは、アウルとアルよね』
「あい」
そうでしょ?
『クリュとアルも響はなんとなく似てるかな?』
「あい」
そうなの。
フゥとクゥも『『う~ん』』って迷ってるみたいです。

『私はアウルとアルかしらぁ』
〖私もアウルとアルの方ね〗
結葉様とジーニ様は二人で、やっぱり?とか言ってます。
「どちて?」
どうして、こっちなのかな?
『〖サーヤの(舌っ足らずの)言い方が可愛いから〗』
「うにゅ?」
言い方?そっかぁ。なんか聞こえた気がするけど、気のせいかな?
〖『きっと気のせいよ(ぉ)』〗
そっかぁ。

『クリュの方が区別がハッキリして分かりやすいんじゃないか?』
『それに、可愛いと言うならクリュも可愛いですよ』
あれれ?ジーニ様達とアルコン様達で女の人対男の人みたいになちゃった?どうしよう?わたわたしてると、

『私はアウルとアルに一票です』
バートさんから一票アウルに入りました。初の男性票です。しかも『それしか有り得ませんね』とまで言ってます。
「ほよ?」
どうして?
『あらぁ、バートもこの良さが分かるのねぇ?』
〖バートも可愛いと思ったのね〗
結葉様とジーニ様がやっぱりね!って言ってるけどぉ~

『私はどちらも可愛いと思いますよ。ですが、私の理由は他にございます』

「ふぇ?」
キッパリはっきり断言した!
『〖え?〗』
『『他の理由?』』
大人たちもやけにはっきりと言い切るバートさんの意味が分からないみたいです。

『左様でございます』
〖バート、その理由は?〗
『理由は…』
みんなで、ごくって喉鳴らしてバートさんの言葉を待っていると…

スッ

バートさんが無言で指を一本、天に向かって指します。
「ほえ?」
お空?何かあるのかな?
〖あ~〗
ジーニ様だけ分かったようです。が、他のみんなも分かりません。空を見てしきりに首をひねります。

「ばーとしゃん、どちてぇ?」
さっぱりわかりません。お空に何もないよ?
『お分かりになりませんか?』
「あい」
分かりません。こくんと頷きます。
『そうですか…。私には目に浮かぶようでございます。あの駄し…主神が……』
イル様?なんでここでイル様?

『〖ひどいよぉ~ ただでさえも僕はサーヤのそばにいられないんだよ?今だってバートがちゃんと指さしてくれたのに思い出してもくれないんだよ?それなのに、それなのにぃ~!何時もそばにいられるスライムが僕と似た名前で呼ばれるなんて悲しすぎるよ~っ!僕だって、僕だって可愛いサーヤに毎日毎日「いりゅしゃま~」って呼ばれたいのにぃ!!うわぁ~ん 〗』

え?バートさんが突然壊れた?
〖キモっ〗
ジーニ様が鳥肌立ってます。他のみんなはいきなりのバートさんの変わりように固まってます。

『……と、無様に泣き叫んでいる駄神の姿が…』うっ
と、涙を拭う(真似)をするバートさん。もはや駄神を言い直してもいない。どうやらバートさんによるイル様のモノマネだったみたいです。

シーン……皆、なんと言っていいのか、言葉も出ない。

〖あ~、うん。わかったわ(分かりたくもないけど)〗
ジーニ様の副音声が聞こえたような?

〖サーヤ、アウルとアルにしましょう(確かに上に帰った時を考えたら)〗
『そうねぇ~(降りてこられた時面倒くさそうだわぁ)』
『『サーヤ、アウルとアルにしよう(降りてこられた時絡まれるのはな…)』』
「あ、あい」
みんなにガシッと肩に手を置かれました。それにしても、いくつも副音声が聞こえたような?

『サーヤ、大人の世界には』
『色々あるんだよ。きっと』
「あ、あい。わかっちゃ」
フゥとクゥのお目目が遠いです。

「しょ、しょりぇじゃ、きんいりょしゃんが「あうる」、ぎんいりょしゃんが「ある」、いいでしゅか?」
ピカーっ 目が、目が~!!まだ聞いてみただけだったのに~ぃ

『あっしまった』
『あまりのことに忘れた』
『『ごめん。サーヤ』』
フゥたち酷い~。目が、目が~っ

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