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143 ジーニ様は最強兵器を味方にした

シャーベット?かき氷?どっちでもいいか?おいしかった!
「ごちしょうしゃまでちた」
また食べたいな~♪

〖サーヤ、もうちょっとお休みしててね。力けっこう使ってるからね。その間に青葉をどうにかしましょう〗
「あ~い」
そっかあ。青葉ちゃんどうするのかな?サーヤがお名前つけてなっちゃったから、サーヤは大人しく待ってるよ。

『ジーニ様、どうしたらいいですか?』
青葉ちゃんはまだ不安そうです。自分から溢れそうな力をどうしたらいいか分からないみたいです。大丈夫かな?

〖そうね。今、みんなが集めてきた空の魔石に力を注いで魔力操作の練習してるのは知ってるわよね?〗
『はい。サーヤたちから聞いています』
なんたって石ちゃん探してくれたの青葉ちゃんたちだからね!
〖そう。でも、あなたは自分で石を作れるわよね?〗
『は、はい。でも、意識して作ったのは守石を四人で作った時だけです』
「こりぇー!」
みんなに見せてあげなきゃ!
『そうね。それね』
青葉ちゃんは最初、お目目まん丸だったけど、笑ってくれました。


〖ふふ。そうね〗
急に元気よく声を上げたサーヤにびっくりしたけど、それで青葉の肩の力が抜けたようね。
『ねぇ~?ジーニ様、青葉の涙が石になるのはやっぱり珍しいわよねぇ?』
精霊樹の精こと、結葉が話しに入ってきた。まったく!せっかく青葉の緊張が和らいだのに…ん?
〖涙が?〗
なんのことかしら?
『あらぁ~?まだ説明してなかったかしらぁ?』
〖聞いてないわね~〗ひくっ
まったく!結葉は肝心なところですっとぼけるんだから!
『ごめんなさぁい』
とても反省してるとは思えない謝罪だわ。
〖相変わらず軽いわね。まぁいいわ〗
毒気も抜けるとはこのことよね。
『ふふっ さすがジーニ様♪ありがとう。それでね~、この子を知らなかったとはいえ、ずっと一人にしちゃったでしょ?その間に流した涙が、泉の底にあった空の魔石だったみたいなのよぉ』
〖あんた…〗
そんな重要なことをそんなに軽く…頭がいたいわ…。
『あっでもねぇ?大きい魔石は嬉しい涙の魔石だから大丈夫みたいよぉ♪ね?』
『は、はい。サーヤたちに使って貰えたら嬉しいです』

〖………〗
結葉…『ね?』じゃないでしょうが『ね?』じゃ!まったくこんなに素直でかわいい子になんてことを…探してきてもらった石だけでもかなりの量なのよ?これが全部青葉の涙なら…堪らないわね。
しかも私も無関係ではないということよね。こいつをあの時呼んだのは主神と私だもの。でも待って?そもそもの原因は?アルコンよね…そう思ったら怒りが…ギッと二人を睨みつける。

〖結葉、アルコン……後で話があるわ。もちろん付き合ってくれるわよね?バート、あなたにも是非手伝ってもらいたいわ。ふふふ〗
片眉毛をピクリと上げたバートが
『かしこまりました。必ず』
わざとらしいまでな美しい所作でお辞儀をするバート。
〖ありがとう〗
さすがね。
『とんでもございません。ふっ』
〖ふふふ〗
こういう時のバートは勘がよく働くから助かるわね。
『え?そんなお気遣いなくぅ』
『なぜ我まで』
結葉とアルコンがなんか言ってるわね。でも
〖黙りなさい。これは決定事項よ〗
『もちろんでございます。むしろ、こちらこそお気遣いなく』にぃっこり
さすがバート。よく言ったわ。
『は、はぁい』がく
『了解した』がくう
ため息をついたって、肩を落としたってダメよ。楽しみにしてなさい。こういう時に味方になったバートほど頼もしいものはいないわ。絶対に逃がさないわよ。
さて、肝心な青葉をすっかりオロオロさせちゃたわね。

〖青葉〗
『は、はい』
〖ごめんなさいね。その時の件は私たち神も少なからず関わっているの。長い間申し訳なかったわね〗
あまりに申し訳なくて、青葉の頭をなでると
『と、とんでもないです。確かに前は寂しかったけど、そのおかげで今とても幸せです。だから大丈夫です』
本当に健気でいい子ね。本当に結葉の子なのかしら?見習わせたいわね…
〖ありがとう。これからは私たちも力になるわ。何かあったら遠慮なく言うのよ〗
『は、はい。ありがとうございます』
本当にいい子ね…見習いなさいよ結葉。

〖それでね、涙の石のことなんだけど、確かに珍しいけれど、全くないというわけではないわ。安心して〗
『はい。ありがとうございます』
だいぶ、落ち着いたかしらね。
〖それじゃあ、深呼吸して体の中の魔力の核は分かるわね?〗
『はい』
〖それじゃあ、そこから体の隅々まで均一に魔力を巡らせて。体の中を魔力が何回も循環する感じよ。指先、つま先、髪の毛の一本一本にまで通わせるように〗
『はい』
目を閉じて、集中しだした青葉。うん。髪の先まで魔力が通ってるわね。
〖それじゃあ、手の平を体の前で合わせてみて。だんだん手の平に意識を持って行って…そう。何か感じる?〗
『はい。温かくなってきました』
そうでしょうね。青葉は気づいてないけど手に光が集まりだしたわ。
〖そう。そうしたら手の平の中心に力を集めたまま、少しずつ手の平を離していってみて。力は中心に集めたままよ〗
『はい』
うん。今のところ上手に出来てるわ。あとは集中を切らさずに…
〖そう、じゃあ、それを凝縮させていきましょう。中心に丸く集めて、固めていって〗
『……』
うん。集中してるわね
〖いい感じよ。そうしたら形にしていって。意識を散らさないように…〗
いい感じね。ただ光っていたものがキュイーンと手の平の中心に集まり青い光が生まれてきた。それがだんだん大きくなるにつれ、青葉の体から溢れだしそうになっていた力が見えなくなってきた。あと少し。
〖青葉、そろそろ力を絞っていって。いつでも止められるように。最後まで気を抜かないで〗
『………』
額にうっすら汗をかいて集中を保っている青葉。大丈夫そうね。そろそろ…
〖青葉、静かに目を開けて。ゆっくり、静かに〗
青葉の目がゆっくりと開く。
〖そう。手の中を見てみて〗
青葉の目が大きく開く。
〖さあ、最後の仕上げをしましょう〗
『はい』
〖形を整えて、整ったら力を止めましょう。ゆっくり、ゆっくり…〗
あと少し…うん。
『出来た…』
青葉の手には出来上がった真っ青な石が。
〖よく頑張ったわね。それは純粋にあなたの力の結晶よ。身につけていればあなたに何かあった時、その石が助けてくれるわよ〗
まだ呆然としている青葉に笑いかける。
『は、はい。ありがとうございます』
ふふっ。やっと笑顔が戻ったわね。
〖体はどうかしら?楽になった?〗
『あ、あれ?そういえば…は、はい。もう大丈夫です』
〖良かったわ〗
これで大丈夫でしょう。
『あ、あのこれは続けた方がいいですか?』
真面目ね。やっぱり結葉、見習いなさい。
〖そうね、今回のように石を作るのは時々でいいと思うわ。普段は寝る前にその石に魔力操作の練習も兼ねて力を流すといいわね。魔力をなくなる寸前まで使ってから眠って回復すれば魔力は増えるしね。でも、その分、無防備にもなるから、気をつけた方がいいわ。あっ魔力循環と魔力操作は常に無意識でもできるようになった方がいいわよ〗
それこそ、結葉みたいにね。
『分かりました。頑張ります』
〖ええ。無理しない程度にするのよ〗
ふふっ上手くいって良かったわ。さて、

〖サーヤ、見てた?〗
「あい!あおくちぇ きりゃきりゃ!きりぇ~」
ふふ。サーヤの目もきらきらね。
『あ、ありがとう』
「えへへ~」
〖サーヤも頑張ればできるようになるわよ〗
「ほんちょ?がんばりゅ!」
ふふふ。みんな素直で可愛いわね。

〖それじゃ、次はサーヤの番ね〗
「う?」
サーヤったら、なんだっけ?なんて顔をしてると、ほら、来ちゃったわよ?最強兵器が。

『そろそろ休憩は終わりです。さ、続きを。二人も漢字がいいようですよ』ふっ
バート、心底楽しそうね…腹黒さが隠せてないわよ?
「ふぁ?」
『『よろしくお願いします』』
『頑張って下さいね』ふふっ
「ふ、ふぎゃああああ」

あ~♪可愛い~♪

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お読みいただきありがとうございます。途中からジーニ様視点でした。

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