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第6話 可愛い王様の嫉妬と怒り!(11)

 また、そうなれば彼女は?

「あ、有難うございます。閣下……。また何かしら新しい情報……。閣下の利。為になるような事もあれば、事あるごとに閣下へとお伝えいたします。本当に有難う御座います……。そして、今後も宜しくお願いします……」と。

 黒装束の女性は歓喜、大変に嬉しそうにジャポネ女王……。いや、事実上では二国の太后殿下と言っても宜しい。二国の影の支配者である太后殿下シルフィーへと、己の身を取り入るのに成功したのだから。彼女は歓喜、嬉しくて仕方がない。

 だってさ? 只今自分の本来の主、長とも言える人物、二国の少年王に対して女、メスとなり。優艶に甘え、御機嫌を窺っている間者の長と自分自身も肩を並べ、覇を競え、争える下準備ができたのだから。

 シルフィーの横で膝をつき待機する黒装束を身に纏う女性は歓喜! 嬉しくて仕方がないはずだ。筈だよ。彼女の顔から笑みが絶えないくらいだから。

 だってさ、彼女達、ゴブリンの小さな種族間の中でも女同士の戦い。抗争、紛争は、少なからずあるのだから。

 誰を自分の後ろ盾にする。なってもらうかで。今後の種族内の勢力図は大きく変わる。変わるからね。

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