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116 ぶくぶくぶく…

ぶくぶくと温泉に沈んでいった銀色スライムさん。

ぱちゃん。
『うん。熱すぎず温すぎず、ちょうどいい温度だな』
おいちゃんが手を温泉に入れて温度を確かめます。
『サーヤ、金色スライムも水飲んどけよ』
「あい」
ぷるるるっ
おいちゃんにお水を渡されてこくこく飲んで準備万端なサーヤたち。
ギン色スライムさんに続いてサーヤたちも温泉に入ります。もちろん、ちゃんと掛け湯をしてから。金色スライムにもサーヤが掛け湯をしてあげます。そういうところは律儀である。

ざぱーざぱーっ
「きんいりょしゃん、おんしぇんきもちいでしゅか~?」
ぷるんぷるん♪
「しょうでしゅか~♪」
ご機嫌でなでなでするサーヤ。完全に金色スライムを赤ちゃん扱いだが…
サーヤ、君の方が赤ちゃんだ…

〖あ~♪可愛い〗
ジーニ様には関係ないようである。

『ハク、私たちはこのまま温泉に入っても問題ない。何かあった時のために近くに行くぞ』
『うん。そうだね~』
ぴゅい『わたちも!』
きゅい『ぼくも!』
お洋服が必要ないギン様がお目付け役で、サーヤ大好きハクとモモとスイがお供します。もちろん、おいちゃんによりお水を飲まされ、掛け湯もされてます。

『サーヤ、銀色スライムはどうだ?』
ザバザバと、やってくるギン様が聞くとハッとするサーヤ。
「あっ しょうでちちゃ」
金色スライムを撫でる手を止めて、てへっと笑うサーヤ
『サーヤ~忘れてたでしょ~?』
「えへへ~」
ハク大正解です。
ぴゅいきゅい『『サーヤちっかり~』』
「あい」
がんばります。

『ギン、スライムはどうだ?』
『今、確認してみます』
今度はアルコン様が聞いてきました。ギン様はおもむろに沈んでいる銀色スライムをつんつんと触ります。

硬いな。今のところ変化はないか?
『まだ変化はないようですね』
『そうか』
あっためるだけじゃダメなのかな?

すると、金色スライムさんが手(?)をニョキっと出して撫でる真似をしました。

「うにゅ?なでなで?」
サーヤが金色スライムを撫でようとすると、今度は首を振って、銀色スライムさんを指差します。
「うにゅ?ぎんいりょしゃん?」
こくこくと頷く金色スライム。どういうことかな?
『あっ、もしかして~銀色スライムさんをサーヤになでなでして欲しいの~?』
ハクが聞くとぴょんぴょんします。
『どうやら正解のようだな。ハク、よく分かったな』
『えへへ~♪』
ギン様がハクの鋭さに感心してます。ハクすごいです!
「わかっちゃ~なでなでしゅりゅ」
『ん~でもサーヤ、手、届くぅ?』
精霊樹の精様の突っ込みが入りました。そう言えばギン色スライムは温泉の底に沈んでます。
「う?」
サーヤが沈んだ銀色スライムを手探りで撫でようとすると届きません。座ったら届くかな?と座ってみると、
ぶくぶくぶくぶく……

〖キャーっサーヤっ〗
『『わ~!サーヤ!』』
ジーニ様が悲鳴を上げ、沈んだサーヤを慌ててハクとギン様が引っ張りあげます。
「けほけほっ、と、とじょいちゃ」
むせてるし!

ぷるるるっ
金色スライムさんも慌てて手を伸ばして?サーヤの背中をなでなでしてます。

『『いやいやいやいや』』
アルコン様と精霊樹の精様のダメ出しが入ります。

『『届いてもダメでしょ!』』
フゥとクゥが怒ってます。
「うにゅ~」
だって~
『サーヤ、相変わらずやることが残念なんだな…』うんうん
おいちゃん、しみじみとなんですか?けほっ

すると、
ピッコンピッコンピッコンピッコン♪

〖『『『は?』』』〗

大人組の声がきれいにハモリます。

『なぁに~?サーヤの頭、音鳴って光ってるよ~?』
ぴゅきゅ『『ほんとだ~』』
「うにゅ?」
ぴっこんぴっこん?

『おう!サーヤ時間切れだ一回上がれ~のぼせるぞぉ』
おいちゃんだけは慌てる素振りも見せず、心得ていたようにサーヤに声をかけます。
「あ~い。きんいりょしゃん いくにょ~」
ぷるるんっ
サーヤは金色スライムさんを連れて温泉から上がります。
『ギン様たちも一度上がってくれ』
『あ、ああ』
『は~い』
ぴゅいきゅい『『いまいくの~』』
ギン様たちも一度上がります。

『ほら、水飲んで休め~』
「あ~い」
素直においちゃんの言葉に従うサーヤと金色スライムさん。おいしそうにお水を飲んでいます。

『う~ん。やっぱりタオルが欲しいな』
そう言っておいちゃんはサーヤの邪魔をしないように、手ぬぐい(これも作った!)でサーヤをぽんぽん拭いています。

〖ね、ねぇ?それは何?〗
ジーニ様がぴっこんぴっこんの石を震える指で指さします。

『ん?これか?』
よく見るとサーヤのお団子に石が付いています。

『子供は夢中になるといつまでもやっちまうからな~。ちょっと石に細工してな体温が上がりすぎる前に音と光で知らせるようにしたんだよ。サーヤはすぐのぼせるしな~ わははは』
〖そ、そう〗
みんな唖然としている。

『そういや医神様がけっこう食いついてな~?この世界、体温とか心拍数とかあんまり浸透してないんだな~。説明したら驚いてたよ』
不思議だよな?と、おいちゃんが首を傾げてます。
〖あ、あの医神まで?〗
『ええ。医神様もいたく感心されまして。その石も医神様がお持ちだった魔石を快く提供してくださいまして、工芸神様とご一緒にそちらをお作りになられたのです』
バートさんが天界であったことを説明してくれます。でも、どこ見てるのかな?お空?
〖は、ははは…ほんとに凄いわ。私の加護必要ないかもしれないけど、今あげるわ〗ぱちんっ
ジーニ様が疲れたように指をパチンって鳴らすと…ぽわぁん

『おぉ?ありがとな』

「うにゅ?おいちゃん ちゅよくにゃっちゃ?」
なんかおいちゃん光った?

『そうか~?わははは』
自分じゃわかんねぇな!って豪快に笑ってます。


『ねぇ、あの人スゴすぎるわねぇ~』
『これから来るっていうドワーフとかエルフとかいるのか?』
精霊樹の精様とアルコン様が明らかに呆れたように言ってます。
『天界でも何をしてもすごくて、料理長などすがりついて留まるように懇願してましたよ』
バートさんの目が…

〖バートがそこまで言うなんて、すごい人呼んだわね。主神も〗はぁ
ジーニ様がしみじみと言うと、みんなおいちゃんを見て大きく頷いていました。

『わははは!』

☆。.:*・゜☆。.:*・゜
お読みいただきありがとうございますm(_ _)m
おいちゃん、どうでしょうか?
お気に入り、星など大変励みになります。ありがとうございます。
✩お知らせのオン、オフにずっと気付かず、オフのままでした。ちょこちょこ書いてたのに(´;ω;`)100話超えてるのに…今はオンに直しました。すみませんでした。

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