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115 サーヤの準備。おいちゃん、すごすぎ

『じゃあ、温泉にいくか!』
「お~!」

銀色スライムさんはアルコン様が重いと言いながら運んでくれました。
あれ?でもさっきおいちゃん片手で軽々と?

『ジーニ様、ちょっとサーヤを着替えさせてくるから、その間にみんなにクリーンかけといてください。汚れたまま温泉に入るなんてご法度だ』
さすがおいちゃん。温泉を分かってます!

〖分かったわ。あなた達にもかけておくわね〗パチンっ
ジーニ様が指をパチンってしたら、サーヤたちの体がシュワシュワってなって綺麗になりました。

『おお。ありがとな』
「あいがちょ~」
〖いいのよ~♪〗

金色スライムさんもぴかぴかぷるんっです。ゼリーみたいです。じゅるり。

ぶるぶるっぴょんっ
「ありゃ?」
逃げちゃった?
『サーヤ、やめてやれ…スライム震えてるぞ』
「うにゅ?ごめしゃい」
ぷるぷるゼリー、じゅるり
『ゼリーその内作れるといいな』
「あい!」
おいちゃんがいれば食べられる気がします!

『じゃあ、着替え行ってくるか!』
「あ~い」
二人で当然のように行こうとすると

『ん?待って待って!サーヤの着替えなら私が!』
フゥが慌てて走りよって来ました。
『なんだ?ジジイが孫の着替えさせるようなもんだろ?』
おいちゃんがそんなに慌てることか?って言うけど
『そうですけど、それでもサーヤは女の子です!』
フゥは自分が!って譲りません。
『分かった分かった!じゃあ、着方教えるから頼むな』
おいちゃんもそこまで言うなら…ってフゥにお願いしました。
『はい!』
「うにゅ~?」
そこまで気にすることかな?

と、言うわけで、三人で夕べ作った更衣室の中へ。中からゴソゴソする音と、『フゥの何これ~』とか、『きゃ~』とか、『かわいい~』とかフゥの声が時々聞こえる。
『分かったから、ほら、こうやってサーヤの前に広げてやって、転ばないように自分の肩にサーヤの手を置けるようにしてやって…もっと低い位置でしっかり広げてやらないと危ないぞ』
『は、はい!』
遅れてフゥを指導してるのかおいちゃんの声も聞こえて来た。

〖な、何が起こっているのかしら?〗
『さぁ?』
〖あ~ん、私も行けばよかった!〗
『今更ですね』
じたばたするジーニ様にバートさん一刀両断。

しばらくすると、
きゅいっぴゅいっとう音が聞こえてきた。
なんの音?と思っていると、サーヤがフゥとおいちゃんに手を繋がれて歩いてきた。
そして、そのカッコは、髪を高い位置で(むりやり)お団子に、赤いタンクトップとキュロットスカートのような水着、赤いサンダル姿で現れた。きゅいぴゅいと鳴ってたのはこのサンダルだ。

〖きゃーっ可愛い~!!〗
『確かに可愛いし、目立つわねぇ~』
クモさん親子も釘付け。
さすが女性陣と、クモさんたち。かわいい物への反応は早いです。

ぴゅきゅ『『これどうしたの~?』』
双子がパタパタ飛んできてサーヤの周りをぐるぐる。

『ん~?サーヤがな?泉のそばにいたり、温泉に入ったりしてるって主神様が言うからな?絶対必要になると思って作ったんだよ。思い切り派手にな』
おいちゃんがなんでもない事のように言います。

〖あなたが作ったの!?〗
ジーニ様がびっくり!

『そうだよ。水の事故は怖いからな。予防の為にも目立った方がいいだろ?それに男もいるって聞いたからな絶対必要だと思って天界で作っといたんだ』
『凄いですよね!他にもデザインあるんですよ!』
珍しくフゥのテンションが高いです。
『ただ、伸縮性がある撥水性の布がなくてな~工芸神さまと四苦八苦しながら作ったんだよ』
なぜか工芸神様はめちゃくちゃ機嫌よかったけどな~って、おいちゃんが不思議そうに言ってます。

〖あなた、スゴすぎるわ〗
『無自覚なのもすごいわぁ』
ジーニ様と精霊樹の精様がなんだか疲れてる?

ぴょんぴょんしながら、きゅいぴゅい鳴らしているサーヤに興味津々なのはちびっこ同盟と妖精たち。
『おもしろ~い』
『足から音出てるの~?』
『きっとこの靴だよ~』
『どうなってるの~?』
妖精さんたちが靴をつんつんしてます。

『うん?人間が沢山いるとこだと、うるさがる人いるけどな?ここは自然だらけで人間も少ないだろ?これだけ音がしたら迷子になってもすぐ見つかるし、いいかと思ってな。靴に音が鳴るクッション仕込んだんだ。足にも優しいしな』
おいちゃん、なんでもない事のように説明してます。サーヤは靴が作れることにびっくりだよ。

『うん。これならサーヤが動いたらすぐ分かるね~』
『うん。すぐ分かるね』
ハクと、フルーがお耳ぴくぴく動かします。
『お耳がいいハクとフルーがいるしね』
フライがフルーのお耳をつんつん。
『『『まいごになってもあんしん!』』』
妖精トリオ、サーヤは迷子にならないよ。

〖というか、天界にそんな音が鳴る素材あったかしら?〗
ジーニ様が疑問を口にすると
『なんかな?迷宮とか言うところでカエルの魔物がドロップしたものらしいんだけどな?面白いからとっておいたけど、使い方が分からずに死蔵してた物なんだと。沢山あるからって工芸神様が気前よくくれたんだよ。クッション性もあるし、音もなるし、色々使えそうなのにな?』
おいちゃんが、ほんとにもらって良かったのかな?って気にしてると

『大丈夫ですよ。工芸神は、今まで使い道がわからなかった物がようやく日の目を見た事に大喜びでしたから』
むしろこれから、天界中にあの音が響き渡らないか心配ですよ。ってバートさんがため息ついてます。なんか、おいちゃんがごめんね?

〖工芸神が気に入るわけだわ〗
『すごいわねぇ~』
ジーニ様と精霊樹の精様はなんだか呆然としてます。そう言えば、おいちゃんは規格外だっておばあちゃんが言ってたよ。
〖規格外…〗
『たしかにねぇ』
〖『ぴったりねぇ』〗
ジーニ様と精霊樹の精様の声が揃ってます。

『それじゃ、そろそろ行くかサーヤ』
「あい!きんいろしゃんみょ いこ~!」
ぷよんぷよんっ
いよいよ温泉へ!

『じゃあ、こいつ入れるぞ』
みんなが見つめる中、アルコン様が手を離します。ぶくぶくと銀色スライムさんが温泉に沈んでいきました。

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