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第16話 元エルフな勇者の凶変(2)

 僕がついついいらぬこと。言わなくてもいいことをエルに僕がついついと訪ねたことで彼女、ではなく。僕の妻が、気がつかなくても良いことに気がつき、この通りの大惨事になっている。いるのだ。僕達夫婦はね。だってさ? 僕の妻、エルはね。遠目、傍から見て確認をしても。他人、誰が見てもわかる通りで、発狂! 絶叫! 声を大にして──。

「離してぇえええ~」、

「離してぇえええ~。一樹~。一樹~。お願いだからぁあああ~」、

「お願い~。私はあの子を追って死ぬ~。死ぬの~」と、気が触れたような状態へと堕ちいり叫んでいる最中なのだ。

 だから僕達夫婦は、大変に近所迷惑、迷惑な状態が続いているから。

〈ドン! ドン、ドン〉と。

 二階、天井から。

『煩い! 静かにしろ! 近所迷惑あろうが』と、でも言いたい。告げたい音。足音が。今の僕の気持ち……。イライラ感、憤怒している状態を更にさかなでるように、耳へと聞こえてくるから。

 僕は真上、天井を睨みつけながら。

「わりゃ、あああ~。二階の奴、うるさい。うるさいの~。二階の奴~。二階の奴はぁあああ~。わりゃ、あああ~。後で覚えとけぇえええ、よ~。これが収まったらぁあああ~。われんところ~。ところへ~。後でかちこみ、かちこみかけちゃるけぇ~。待っとれぇよ~。われ~」と怒号! 怒声を吐いてやった。



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