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111 紹介と、呆れた真相

名付けが増えまくって叫ぶサーヤ。

「ひにゃああああっ」

『わはは。相変わらず変な叫びだな!嬢ちゃん!』
『元気があってよろしいですね』にこ
おいちゃんとバートさんはそんなサーヤを笑顔で見てます。
〖バート、鬼ね…〗
ジーニ様このくらいなら大丈夫なラインギリギリを攻めます…

『サーヤ、手伝ってあげるから』
『諦めて頑張れ』
「ふにゅう~ぅ」
フゥとクゥが背中をぽんぽんして慰めます。

『サーヤ、気持ちは分かるがじじい共も紹介しないと』
『そうだよ~がんばれ~』
打ちひしがれるサーヤに、ギン様とハクが大事なこと思い出させてくれました。

「しょうでちちゃ。じぃじ、みんにゃ、ごめしゃい」ぐすん
ほったらかししちゃいました。大変です。

『よいよい。のんびりいこう。のぉ』
『そうじゃよ。じゃあ、のんびりよろしくの。サーヤ』
『『『『がんばれ~』』』』
『『『『『『がんばれ~』』』』』』
「あい!」
まかせて!
みんなに聞こえるように向き直ります!

「|じぃじみょ《じぃじも》、|かめじぃみょ《亀じぃも》、|ようしぇいしゃんみょ《ようせいさんも》、|いちちゃん《石ちゃん》、|しゃがちいっちゃら《探し行ったら》、|いちゃにょ《いたの》!あちょ、|しゅりゃいみゅしゃんみょ《スライムさんも》!」

ずべっ みんないっせいにコケた。

「うにゅ?」
間違ったことは言ってないよ?じぃじたち、石ちゃん探しに行ったらいたでしょ?スライムさんたちも。ちゃんと説明できたでしょ?

『サーヤ~…』
なんですか?ハク
『うん。確かに間違いではないな。ないんだけどな』
そうでしょ?ギン様
『ちょっとばかし乱暴だったがの』
「ぶー」
じぃじ ひどい
『よしよし。サーヤは頑張ったのぉ』
「ぷー」
そうだよね。亀じぃ

『じゃあ、会った順に自己紹介してもらおうよ~。ね?サーヤ。一番最初に会ったのは~?』
ハク、ナイスアイデアです。最初は~
「|みょりいち《守石》 |くりぇちゃ《くれた》 |みじゅにょようしぇいしゃんちゃち《水の妖精さんたち》!」

『『『『私たちだね』』』』
『水の妖精です』
『最初はお花集めたの』
『それで、守石作って渡したの』
『次は、空の魔石集めたの』
『『『『ね~♪』』』』
「にぇ~♪」
ほら、間違ってないでしょ?

『うん。嬢ちゃんとあんまり変わらないな』
『そうですね…』
おいちゃんとバートさん、仲良しですね。

『つ、次は?サーヤ誰に会った?』
ギン様が焦ってる?なんで?まっいっかぁ

「じぃじちょ、かめじぃ~」
水の妖精さんたちが会わせてくれました!

『わしの番じゃの。そのフェンリルの小僧より以前からこの地の泉に棲んでおりますケルピーの爺でございますじゃ』
じぃじの自己紹介が始まると

『あらぁ、ギンを小僧って呼べるってことはぁ?』
『色々昔のギンのことが聞けそうだな』
〖あら、楽しみね♪〗
精霊樹の精様、アルコン様、ジーニ様がニヤリとしてます。
『ほっほ。それこそ小僧が産まれる前から知っておりますからの。サーヤとハクたちにも約束しましたので昔話は後ほど』
『やめろ、じじい』
『お父さん、ダメでしょ~?年上の人には礼儀正しくだよ~』
『うぐっ』
ギン様、じぃじに遊ばれ、ハクには純粋に怒られてます。憐れ…
『あらぁ、すごいわ。ギンがいつもと違うわぁ』
『これは余程聞かれたら不味そうなことがありそうだな』
〖楽しみね~♪〗
ジーニ様たちものすごくニヤニヤです。
『うぐっ』
ギン様がんばれー。

『ほっほ。最近は水底の洞窟にすっかり隠居しておりましての、妖精たちには「じぃじ」などと呼ばれておりますじゃ。そこに今回、先程の妖精四人がサーヤたちを連れてきましての。そこで空の魔石を皆様がお探しだということで、私だけ森の奥にある滝壺へ向かいましたので、あとはこの亀に』
そこで亀じぃにバトンタッチしました。さすが長いお友達。

『ふむ。ワシの番かのぉ。ケルピーの友人の亀の爺でございますじゃ。妖精共には「亀じぃ」などと呼ばれとりますのぉ。ケルピーと共にワシもすっかり引っ込んでおりましたでのぉ、皆様にご挨拶もせず失礼いたしました。それで今回、空の魔石を探すべく、洞窟の奥までサーヤたちを案内させて頂きましたのですじゃ。ところで、精霊樹の精様、今回、案内させて頂きました場所には精霊樹の分体と伝えられている樹がございますが、覚えておいででしょうかのぉ?』
突然、話を振られた精霊樹の精様、のんびり考え中?

『ん~?それって水の中ってことよねぇ?そんなとこに種蒔いたかしらぁ?』
精霊樹の精様、思い出せないみたいです。

〖あんたね、ちゃんと思い出しなさい。サーヤ、それどのくらい大きかったかしら?〗
ジーニ様がまた何かやらかしたわね?と精霊樹の精様を軽く睨みながら、サーヤに聞くと

「んちょ?しゅ~っごくおっきかっちゃ!」
手をおっきく広げてまあるく木の形を表現します。うん。サーヤだからね。

チラッとギン様をジーニ様が見ると、苦笑しながら
『見事な大樹でしたよ。妖精や魚達が住処にしているようでした。そのうろの中に石とそれがいましたしね』
と、いまだ動かない銀色スライムを見る。

〖そう。そんなに大きいのね。それじゃ、ずいぶん前からありそうね〗
へ~そうなんだぁ。
『サーヤ~だってほら、銀色スライムさんがそもそも百年お昼寝してたんだから~』
『少なくとも樹齢百年以上は軽くいっているだろな』
そっか~。ハクとギン様頭いい~♪

『あ、あれかしらぁ~?ほらぁ、むか~し、ここに何も無くなっちゃった時、主神様とジーニ様に頼まれて木を生やしに来た時あったじゃなぁい?』
〖あ~あったわね~〗

事情を知る面々がアルコン様を見ます。
『だから、悪かったと…』
ぴゅ『おとうしゃんが』
きゅ『めっ!ちたときね』
『………』
子どもたちによる無邪気なダメ押しにアルコン様はそっぽを向いている。

『それでねぇ、あの時はまだここに住んでなかったからぁ、更地に森を作るついでに、この大陸にも一本くらい子供を~って思って種を適当に蒔いたんだけどぉ、あの時って地面もボコボコだったじゃない?』
〖そうだったわね〗
ドラゴンブレスに吹き飛ばされ山脈まで吹き飛んだクレーターだらけの時を思い出すジーニ様。

再びみんなの視線はアルコン様へ
ぴゅきゅ『『おとうしゃん…』』
『あ~ごほごほっ』
アルコン様、誤魔化せてないですよ?

『それでねぇ?せっかく蒔いた種だったんだけどぉ、なんかたまたま細~い亀裂に転がっちゃってねぇ?あっ!と思った時には「ぽちゃーん」って音がしたのよぉ。それで、亀裂覗き込んだんだけどぉ、何も見えなくてねぇ?水の中に落ちたら仕方ないかぁ~って、そのまま忘れてたんだけどぉ、それかしらねぇ?』

しーん。

〖あんた、貴重な種をそんな適当に…〗
『え~だってぇ』
〖だってじゃないでしょうが〗はあ…
ジーニ様の言葉にみんなが、その通り!と心の中で叫ぶ。

結論。アルコン様と精霊樹の精様のやらかしの結果、水の中の精霊樹生まれた。

呆れた真相でした……

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