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第4話 アイカの不満(26)

 ジャポネのやり手なお姉さまこと、女王シルフィーは、二国の男王である健太の妻らしく、寄り添い甘え戯れているようには見えるのだが。此の国の女王アイカのようにね。

 でも彼女? ジャポネの女王シルフィーは、己の夫である少年王健太に、戦の最中であろうとも甘え戯れはするのだが。ちゃんと己の周りの様子……。戦の流れと諸侯、兵達の様子の方は、『チラチラ』と、彼女が持つ宝石のように美しい碧眼の瞳を動かしながら確認をし。気を抜かないようにしているから敵、だけではないか?


 何処かの誰か?


 そう、此の国の女王アイカのように、二国の男王である健太から完全な信頼を得ないから。

 彼女は此の国の女王であるにも関わらず。自身の実、今の? 夫が指揮する近衛隊の左翼を補う。守護する。二国のナンバーワンかナンバーツーの妃としての立場を、己以外の妃へと手渡している無能な状態へと陥っている。いるのだ。此の国の女王アイカはね……。


 だってさ、二人?


 まあ、此の国の女王アイカと、此の国の一領主であり。女王アイカの近衛隊の隊長(ナイト)であるウォンの二人なのだが。女王アイカは、何だかんだと言って、彼に拒否をする姿勢を勇んでみせても。彼女はこの調子でないないづくし……。


 そう元彼、元婚約者、元夫だったかも知れない? ウォンに対して甘い。甘いのだ!

 だって直ぐに彼女、女王アイカはこのように艶やか、官能的な状態へと、あっさりウォンに導かれ、誘われ、恋を楽しむのだ。

 それも? 禁断の恋と言うやつを楽しみ、陥って、刺激を満喫、堪能をする様子を見せている気がする。するのだが。

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