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第4話 アイカの不満(17)

 まあ、試みようとする。努力をしょうとするのだが。

 でも彼女? 此の国の女王アイカなのだが、彼女の様子がね。以前と違う。違うのだ。と、いうか?


 二人で激しく、荒々しく、愛し合った日々の頃とは明らかに、女王アイカの様子が違う。彼──。

 此の国の漢王になれなかったウォンと目を合わせ見詰め合う行為と。そのまま彼、ウォンのオーク最強の漢らしい分厚い筋肉でできた胸板にしな垂れ掛り甘える。

 そう、女王アイカはいつまで経っても、己の肢体をウォン捧げ、預け、甘えてこようとはしないのだ。

 彼の思いとは裏腹に女王アイカはね。ウォンをオーク種族の女王、オス達のセックスシンボルらしい傲慢、豊満、大変に大きな乳房に当たり、重なり合わないように、彼女は己の両手、掌で相変わらず拒否をし続ける。

 今の自分は……。



 そう、女王アイカ自身が、己を求めるウォンに対して先程も告げ説明をした通りだ。

 今の彼女は、現男王である健太と夜の床を一緒にする程大変に夫婦仲も良い。良いのだよ。

 彼、健太(男王)から『アイカさん。好きだ』、『愛している。いるからね』と、何度も床で交わり。最中に囁き、告げられるくらい。女王アイカは、今の男王である健太から好かれ、愛され、信頼も得ていると。先程彼女が元カレ、婚約者、主、夫。此の国の漢王にならなかった騎士(ナイト)へと告げた通りなのだよ。

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