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102 亀じぃ

亀さんおしゃべり出来たんだね。それより怒られちゃったから、ごめんなさいしないとだよね

「かめしゃん、ごめしゃい」
『ごめんなさい~』
『『『『亀じぃごめんなさい』』』』
みんなで並んでごめんなさいしました。

『よいよい。きちんと謝ることが出来て偉いのぉ。今回はち~っと目的がズレてしまったからのぉ。次に気をつければよいよ。じゃがのぉ、童子はよいのじゃ。知りたいことを知りたがるは童子の仕事じゃからのぉ。駄目なのはそこのいい歳したじじぃ共だのぉ』
亀さんはじろりと、じぃじとギン様を見ました。

『『うっ』』
じぃじとギン様がギクッてしてます。亀さんの声はなんだかとっても説得力があります。

『まったくのぉ、いい歳してお前たちが本来の目的を忘れてどうするのじゃ。のぉ?』
呆れてモノも言えんわと言ってるけど、言ってるよね?
『『す、すまん』』
わ~じぃじとギン様がしょんぼりしちゃった!亀さんすごぉい!

『亀じぃ~』
『声、久しぶり聞いた~』
『さすが、亀じぃ』
『たよりになる~』
『『『『それで、石はある~?』』』』
水の妖精さんたち、そんな空気はものともせず、亀さんに話しかけてます。亀じぃって亀さんなことかな?

「かめじぃ?」
『亀さんのこと~?』
ハクと一緒に聞きます。

『おお。すまんのぉ。自己紹介がまだだったのぉ。ワシはただの亀じゃよ。だが、ケルピーと一緒で歳だけは食っとるからのぉ、亀じぃと呼ばれとるのぉ。普段あまり喋ることがないでのぉ、声を出すのに少々時間を食ってしもうてのぉ。ほっほ』
なるほど、亀のおじいちゃんで、亀じぃなんだね。それにしても、亀さんは声を出すのに時間がかかるんだね。

「しょっか~。さーにゃ、でしゅ。よりょちくでしゅ」
『ハクだよ~よろしくね~。サーヤはサーヤっ呼んであげて~』
改めてご挨拶です。仲良くしてください。

『ほっほ。サーヤとハクだのぉ。こちらこそよろしくのぉ』
「あい!」
『はい!』
『ほっほ。元気な童子が増えたのぉ。賑やかになりそうじゃのぉ』
『そうじゃの』
亀じぃも、じぃじも優しいおじいちゃんです!

『じぃじ、亀じぃ』
『それで、石は?』
『知ってる?』
『見たことある?』
水の妖精さんたちが、もうご挨拶いいでしょ?って石のことを聞いてきました。そうでした!目的はそれでした!

『そうだったのぉ』
『すまんすまん』
じぃじたちも苦笑いで謝ってます。急かせてごめんね。

『そうさのぉ、空の魔石のぉ』
『洞窟の奥にいくつかあったかの?』
『洞窟の奥にもあった気もするが…のぉ、ケルピーよ、滝つぼはどうかのぉ』
『あぁ、地上の川の上流にある滝かの。そうだの、あるかもしれんの』
『ではのぉ、ひとっ走り行ってきてはどうかのぉ。主なら滝ぐらい一瞬じゃろうて。ワシはその間にサーヤたちを洞窟の奥に案内するかのぉ』
『そうだの。行ってくるかの。久々に翔けてくるのもよかろう』
さすがです。話し方はのんびりなのに、話し合いはどんどん進みます。

『じじい、わざわざ行ってくれるのか?すまん』
ギン様もさすがにいつものギン様に戻りました。呼び方はじじいのままだけど。

『なぁに、若い者のために出来ることがあるならば、してやらねばの。それにたまには体を動かさねば鈍ってしまうからの。いい機会だ。ほっほっ』
じぃじ!いい人!…いいお馬さん?とにかく、かっこいい!

『じぃじ、ありがとう。気をつけてね~』
「じぃじ、あいがちょ、まっちぇりゅにぇ」
ハクとお礼を言います。

『ほっほ。ありがとの。なぁに、この爺にかかれば滝までなどすぐじゃ。すぐに戻ってくるからの』
じぃじ、ステキじぃじです!

「あい!いってらっちゃい!」
『じぃじ 待ってるね~』
『『『『行ってらっしゃ~い』』』』
妖精さんも一緒にみんなでお見送りです。

『ほっほ。可愛い見送りがたくさんで嬉しいの。では、行ってくるからの。亀よ、頼むの』
じぃじは嬉しそうに笑って、それから亀じぃにサーヤたちのことをよろしくってお願いしてくれました。やっぱりステキじぃじです!きっとおばあちゃんが言ってた、できる大人は違うってやつです!
『わかっとるわ。はよ行かんかのぉ』
亀じぃが呆れたように前のあんよ?でシッシッてしてます。
『ほっほ。じゃあの』
そう言ってじぃじはあっとゆう間に見えなくなりました。見えるのは足?ヒレ?の一蹴り出できた白いあぶくの道だけです。

「しゅご~い」
『はやいね~』
『じぃじがあんなに早く泳げるの』
『初めて見たね~』
『うん。知らなかった~』
『すご~い』
あの速さはおじいちゃんじゃない~。
『ほっほ。可愛い子達に見送られて彼奴、年甲斐もなく張り切っておるのぉ』
そうなの?
『亀じぃ、そんなこと言っていると後でじじいにどつかれるぞ。そもそも煽ったのは亀じぃだろうが』
ギン様が呆れたように言うと亀じぃは
『ほっほ。さて、何のことだかのぉ』
笑ってすっとぼけてます。

『さぁ、ではワシらも行くかのぉ。ワシの後をついてくるのじゃよぉ。頭や足下に気をつけてのぉ』

「あ~い!」
『は~い!』
『よろしく頼む』
『『『『しゅっぱ~つ!』』』』

こっちも元気に出発です!
わ~い♪洞窟探検だ~♪

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