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96 ジーニ様は仲間が欲しい

サーヤの手にかかると想像もしないことが起こる。例え、空の魔石一つとっても…。いや、今回は水の守石もか…はぁ。
お疲れ気味の魔神がひっそりため息をついていると…

『ジーニ様、大丈夫ですか?(色々な意味で)』

何だか今、心の声が聞こえたわね。苦笑しながら返事をする

〖ええ。大丈夫よギン。ありがとう。早速、魔石が役に立ったわ。それから、水の守石のこともね。伝言ありがとう〗

『それは、良かったです』
ギンも苦笑いだ。
ギンが気を利かせて空の魔石を集めてくれて本当に助かったわ。
アルコンや精霊樹の精も気を使ってくれたみたいだしね。頼もしい仲間がいてくれて良かったわ。

『サーヤ~お疲れ様ぁ。頑張って魔力を入れた石、私にも見せてくれるぅ?』
そんなことを思っていると精霊樹の精がふわ~っとサーヤの元へ行く。

「あい!どうじょ!」
サーヤは頑張って魔力いっぱいにした石を見てもらえるのが嬉しいらしい。勢いよく突き出すように見せている。

『ありがとぉ~あらぁ、綺麗に入れられたわねぇ。すごいわぁ』
精霊樹の精がサーヤの頭をなでなですると、

「あい!いしちゃんが、おちえちぇくりぇましちゃ!」にこにこ
『え?石ちゃん?石が教えてくれたのぉ?』
「あい!」にこにこ
『そうなのぉ。良かったわねぇ』
「あい!」にこにこ

嬉しくて仕方なくてニコニコのサーヤ。
そして、どういうこと?と、笑顔のままこちらに顔を向けてくる精霊樹の精。だけど、私だって苦笑いしか出ない。
アルコンもギンもびっくりしているみたいね。まあ!びっくりするわよね?

『サーヤ、どうやって石が教えてくれたんだ?』
アルコンも寄ってきてサーヤに聞いた。
ふふふ…さあ、驚くがいい。こうなればみんなにも悩んでもらおう。私だけだなんて不公平よね。

「んちょにぇ~、まじゃ へいきじゃよ~ ちょか」にこにこ
『は?まだ平気だよ?』
アルコンの目が見開いたわね。

「あちょ ちゅこち~ ちょか」にこにこ
『あ、あと 少し?』
ギンの口が開いたわね。

「しょりょしょりょだよ~ ちょか」にこにこ
『そろそろだよぉ?』
さすがの精霊樹の精も情けない声になったわね。

「も~い~よ~♪ちょか」にこにこ
『『『もういいよ!?』』』
あら、声が揃ったわね。

「あい!ごちちょうしゃま~ ゆっちゃ」にこにこ
『『『…………』』』
みんな無言でこちらを見てきたわね。フフフ…甘いわね。まだまだよ。

〖サーヤ、続きがあるのよね?〗
さあ、聞いて驚きなさい!

「あい!いしちゃんちょ、おみじゅのいしちゃん、みゃいにち ねんねにょ みゃえに ちゅこち ごはん、 ちょうだい、いっちゃ!」にこにこ

『お水の石って水の守石のことよねぇ?』
『毎日寝る前に少しご飯を?』
『ちょうだいってことは、やはり…』
ふふふ…そうよ~

〖お話したのよね~?〗
「あい!みじゅのいしちゃん おこっちゃっちぇちゃにぇ~」
〖怒っちゃってたわね~〗
「〖ね(にぇ)~♪〗」にこにこ
さあ、驚きなさい!悩みなさい!

『『『えぇぇぇ~っ!』』』

よしっ!仲間ゲットね!

まだ呆然としている三人相手に内心ガッツポーズをしているジーニ様。それを少し離れた所から見ている面々、フゥとクゥ、そしてちびっ子同盟、更にハチさん、クモさん、森の皆さん。

『お父さんたち、なんか固まってるね~』
サーヤの前で固まってる父親たちを見つめるハクがしみじみと言うと
『なんか、私たち忘れ去られてる?』
『ああ。完全にな~。だとすると…』
ぴゅ『サーヤが』
きゅ『きっと』
『『何かしたんだよ~』』
『『『きっと!そう!!!』』』
フゥとクゥ、ちびっこたちの言葉に、ハチさんたちもみんな確信を持って頷いている。

『何やらかしたのかしら?』
『さあ?』
フゥとクゥが呆れたように言うと
『見て~。今度は頭抱えだしたよ~』
ハクが父親たちを実況中継。

ぴゅ『あっ!でも』
きゅ『あっ!そうだ』

『精霊樹の精様が』
『あとで僕達もやるから』

『よく』
『みておく』
『ように』
『『『いってた!!!』』』
ちびっ子たちみんな一斉に精霊樹の精様の言葉を思い出した!

『と、言うことは?』
『今から、おれたちもやるのか?』
やらかしを?フゥとクゥは何で?と首をひねっている。
『あ~、今度はしゃがみこんじゃったよ~?』
相変わらず実況中継を続けるハク。

ぴゅ『あっ』
きゅ『サーヤが』

『こっちに気づいたね~』
『手、ぶんぶん振ってるね~』

『あっ たいへん!』
『はしりだしたよ!』
『ころんじゃう!』
『『『あっ!』』』
みんなサーヤに気づいたが、忘れ去られたちびっこ同盟たちにはどうにも出来ない!すると、
ジーニ様が気づいて転ぶ前に助けた。

『はあ、良かった』
サーヤが転ばずに済んでほっとするフゥたち。
『あっでも今ので、ほら』
クゥが何も無い空中に手を伸ばして何かを確かめている。
『結界が解けたね~』
そう。実はこちらの忘れ去られた面々は

ぴゅ『あっ』
きゅ『ほんとだ~』

『まったくもう』
『結界張ったまま』

『さんにんそろって』
『わすれちゃうなんて』
『ダメダメだね~』
精霊樹の精様とアルコン様が張りっぱなしにした結界に閉じ込められていたのだ。

『まったく、酷い目にあっちゃったわね』
『まあ、無事に出られて良かったじゃないか』
『そうだよね~』
ぴゅい『それじゃあ』
きゅい『みんなで』
『サーヤのところへ』
『行こう~』
『『『お~!』』』

ちびっこたちが動き出したのを見てサーヤがぴょんぴょんしている。また転ばなきゃいいけど。


フゥたちがみんなこっちに来てくれました。もう!手を振ってるのに来てくれないから、サーヤが行こうとしたんだよ!でも転びかけちゃった。ジーニ様が助けてくれたから大丈夫だったよ。

「ふぅ~、くぅ~、みんにゃ~」
ぴょんぴょんしてたらみんな来てくれたよ!
『サーヤ 』
フゥに抱きついたら ちゃんと抱きしめてくれたから聞いてみよう

「みんにゃに おちぇちぇ ふっちゃにょよ~」
ぷぅーとほっぺた膨れちゃいます。
『ごめんね、サーヤ。お手手振ってくれてたの見えてたんだけどね』
『見えない壁があってみんな来られなかったんだ』
そう言ってクゥが頭なでなでしてくれます。
「かべぇ?」
見えない壁?何それ?

『そう~お父さんたちが張ってたんだけどね~』
ぴゅい『みんなして』
きゅい『わすれちゃったんだよ~』
ハクたちは、だからサーヤのところに行きたくても見るしか出来なかったんだたって。ごめんねって。

「しょうにゃにょ~?」
忘れちゃったの?

『そうなの~』
『ダメダメなの~』
『メッなの~』
妖精トリオもプンプンだね。
「あい!だめだめ~」
そっかあ。

『『だめだめ~』』
フルーとフライは困ったね~してます。
それじゃ、みんな来られなかったのしかたないね。

『それで?』
「にゅ?」
それでって?

『サーヤは何をしたの?』
「みゅ?」
なんのこと?

『何かしたんじょないの~?』
「ん~?にゃにも~?」
してないよ~

きゅ『うそだぁ』
ぴゅ『なにかしたでしょ?』
「ちてにゃいよ?」
ほんとにしてないよ?

『『え~』』
『『『したんでしょ~?』』』
「ちてにゃいよ~」
してないってば~

『『『『『『『ええ~?』』』』』』』
「ぶー」
みんな失礼です!

はちの女王様とクモのお母さんがなでなでしてくれました。
「ぐすん」

しおり