第4話 アイカの不満(10)
二人の女王の主、両国の少年王である。象牙色の肌を持つ健太に、アイカとウォンの優艶な触れ合い。疚しいことを悟られるようなことになれば大変だからと。此の国の女王アイカは己に優艶に寄り添い甘えてくる。自身の騎士(ナイト)。女王アイカに生涯忠誠を尽くし、お前を守る、守護すると誓ってくれた。
いや、お互いが誓い合ったウォンへと女王アイカは今にも泣きそうな声音、ではなくて。
己の持つ美しい紅玉の瞳をうる、うると濡らし。透明な粒を両目の端から落としながら。
「やめて、やめて、ウォン……。直ちにこの乗り物……。戦車から出て行って、お願い。お願いよ……」と。
再度自身の騎士(ナイト)、ウォンへと嘆願、泣きながら乞うのだ。
でもね? 女王アイカの騎士(ナイト)ウォンは、彼女の涙を流しながらの諫め、嘆願、乞いに対して。先程からの状態を改善。命令、下知に対して、全くと言って良い程聞く耳持たない状態。相変わらず女王アイカへと優艶に甘え続けるのだ。
「いいや、出ていかぬ。いかぬぞ、アイカ……」と。
女王アイカの悲痛な顔、涙を流しながらの、悲痛な叫びの下知、嘆願、乞いを拒否してみせるのだ。