バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

 第4話  【ユキザル討伐クエスト 其の4】

 せかへい 外伝28


 著者:pirafu doria
 作画:pirafu doria


 第4話
 【ユキザル討伐クエスト 其の4】




 十匹のユキザルが一斉に動き出す。敵に見つかったことで動揺したのか、バラバラに走り出す。



 モンスターは群れをなすのは珍しい。モンスターは魔素の集合体であり、特定の行動を行う。そのため群れをなすことはほとんどない。



 ユキザルも群れで動くモンスターではない。しかし、ユキザルは行動範囲が広いわけではなく、同じ場所で発生したモンスターが固まっていることが多い。



 今回もそういうことであり、ユキザルが十匹同じ場所にいた。



 群れで動く習慣はないため、ユキザルはバラバラに逃げる。ガーラ一人ではこうやって逃げていくユキザルを仕留めるのは難しいだろう。



 走って逃げていくユキザルをガーラは斧を一振りして、三匹同時に倒す。そしてもう一振りして二匹を倒した。
 だが、残り五体のユキザルが逃げていく。



 しかし、



「こっちだ!!」



 リトライダーが軽量化を使い、二匹のユキザルの首を短剣で切る。リトライダーの攻撃は攻撃力が薄いというのが弱点である。
 しかし、こうやってモンスターの弱点を狙い、耐久力の少ないモンスターを相手にすれば倒すことができる。


 これにより残りは三体。



「私もやるよ!」



 ミエは杖を前に向けると、空気の塊を飛ばす。



「空気の弾丸(バル・エール)」



 空気の弾丸が発射されると、一匹目のユキザルの身体を貫通して、二匹目も倒れた。



 そして最後の一匹、



「ダズ!!」



 三人はダズの方を見る。ダズは最初にユキザル討伐と聞いて不安そうだった。しかし、ガーラにそれぞれの役割をこなせと言われてから、少し気が和らいだ感じだった。



 ユキザルは走って結界の外へと向かう。温度変化で弱くなっているとはいえ、ダズでは追いつけないスピードだ。



 ならば、



「こいつでどうすっか!!」



 ダズは身体強化をした身体で地面を殴りつけた。それにより地面が揺れてユキザルは体制を崩す。その隙にすかさずに、ダズ近くになった木にしがみつく。



 そして力一杯木を持ち上げて、何倍もある木を引っこ抜いた。



「うおおおおおお!!」



 ダズはその木を持ち上げた後、足場が不安定になり動けなくなったユキザルに向けて振り下ろした。




 ユキザルはぺっちゃんこになって討伐できた。



「よくやったな。ダズ」



 リトライダーはそう言うとダズの背中を叩く。



 ガーラは残りのモンスターがいないのを確認すると、ダズの峰へと近づいてきた。



「お前にはパワーがある。それを活かせたな」



「はい!!」





しおり