第2話 【ユキザル討伐クエスト 其の2】
せかへい 外伝28
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第2話
【ユキザル討伐クエスト 其の2】
ユキザルというモンスターの討伐クエストに向かうことになったガーラ達。
ユキザルの目撃情報のあった森へと向かう。
森には雪が積もっており、少しでも油断すると……
「あ…………」
ミエが膝まで雪の中に足を沈める。
「大丈夫か?」
リトライダーが手を伸ばしてミエを引っ張り出す。
ミエは雪の中から足を出すことができたが、靴の中に雪が入り冷たい。
「冷たーい…………でも、ありがとう、リトライダー」
そう言ってリトライダーのいた方を見ると、リトライダーは頭から雪に埋まっていた。
雪の中でモゴモゴと助けを求めている。ミエを助けた後、そのまま勢いで倒れてしまい、雪の中に突っ込んでしまったみたいだ。
「…………」
ミエは少し考えた後、
「ねぇ、ダズ、これどうする?」
ダズに聞いてみることにした。
「ほっとけば良いんじゃないすか」
「そうね。そうしましょ」
リトライダーは雪の中で暴れていた。
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しばらく進むと、ガーラが足を止める。
「いたぞ」
ガーラはそう言うと背中に背負っていた片手斧を手に持つ。ガーラの指示に従い、リトライダー達も各々の武器を持った。
リトライダーはナイフ程度の大きさの短剣の両手に一本ずつ。ミエは木製の杖。ダズは鋼鉄製のグローブを手にはめた。
ガーラはモンスターを発見したみたいだが、まだ三人はわかっていない。
ガーラは魔法を使い常に周囲を警戒していた。それによりモンスターの気配を感じ取ることができたのだ。
だが、リトライダー達にはその魔法が使えない。そのためモンスターを察知できないのだ。
「どこにいるんですか?」
リトライダーは足音を立てないようにしてガーラに近づいて小声で聞いた。
ガーラはゆっくりと斧で前を指す。
「この先だ」
ガーラが示した方を見てもまだモンスターは見えない。だが、ガーラがそう言っているのだ。いるのは確かだろう。
ミエはガーラの差した方を見ながら言った。
「ユキザルは雪に同化する。感知魔法を使えない私たちが近づくのは危険ね」
ミエの発言を聞いたガーラは頷くと、
「その通りだ。見えない敵を相手にするのは難しい。普段なら俺一人で討伐してくるところだが…………」
ガーラは鎧の中から魔道具を取り出した。
「ユキザルに関しては俺一人だと厄介だ。この魔道具を使って今回は討伐するぞ」
そして三人にその魔道具を渡した。