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第11話 お妖狐さまと美少女?(3)

 だから致し方ない、やつめ! こやつ、めが! と、思うのだよ。

 だって? この漆黒の闇で覆われた謁見の間を相変わらず、辺りをキョロキョロ見渡しながら探索──。

 そう、するものだから、一樹の斜め正面に立ち浮遊するたぬきの御老体の口からは「はぁ~」と、溜息が漏れる。

 でッ、一樹の義理の母上さまとなったお狐さまこと前々魔王フェインさまはと言うと?


「ふふふ、婿殿は面白方……。本当に殿の若い頃に良く似ていますね……」

 彼女の若い頃、と、言うか? 過去? 生前を思い出し、出すかのように。慌てふためき、動揺までしている一樹と、今のフェインさまの台詞……、己の妃に一言多いいことを呟かれて不満、面白くない顔をしているたぬきの御老体の顔と様子を交互に見詰めては、「クスクス」と微笑。面白おかしく笑っているのだ。

 まあ、そんな最中……様子にね?


 一樹の目の前に座る、キョトンとした表情──。己の目の前にいる青年を不思議そうな、碧眼の瞳で見詰める。

 そう、金髪の長い髪を持つ、大変に美しく、人形のように可愛いエルフの少女が自身の口を開くのだ。

「旦那様~。わらわならここにいますよ。ここに……。旦那さまの目の前にいますが」と。

 呟くのだ。一樹ね!


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