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第11話 お妖狐さまと美少女?(2)

「お、俺の魔王さまぁあああ~。ル、ルシファーさんがいない! いないよ~! いなくなっている!」、

「一体何処だぁあああ~? 何処にいる~? 俺のルシファー~?」と。

 一樹は自身の両目を大きく開けながら、驚愕、驚嘆、ではなくて。声を大にしながら絶叫を吐くのだ。

 この漆黒の闇に覆われている薄暗い、謁見の間の、端から隅まで、己の大きな声音の絶叫が響き渡るぐらいにね。

 先程は、あれほど、美しく麗しいお顔と容姿を持つ魔王ルシファーさまのことは、いらぬ、と、言うか? 魔王ルシファーさまの姉君が、一樹自身の側に、もう既にいるから。魔王ルシファーさまのことを嫁にもらうことをためらっていたはずの一樹なのに、と、言うか?


 彼は躊躇っていた筈なのに、いざ魔王ルシファーさまが、自身の目の前から姿を消すと──。

 己の物、宝……。


 そう、前魔王、佐多名衛門の助(サタナエモンノスケ)から、この世界一の財宝をやるからと頂いた。

 この世界一の財宝、宝玉である、己の嫁の姿が見当たらないとわかると、この通り驚愕、絶叫を放ちながら大騒ぎを始めだすのだ。

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