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第10話 わらわは♂これで魔王をやめました(22)

 でもね、魔王ルシファーさまはこの通りだ。

「(わらわのお父さまは、若かりし頃は、勇者さまのような容姿をしていたんだ。知らなかったなぁ~)」と。

 己の脳裏で思案──。興味津々に、だけではなく。嬉しそうに一樹の容姿を、己の瞼を大きく見開いて、紅玉の瞳で凝視をしている最中──状態で、一樹の話し、問いかけに対して、上の空……。



 と、言う訳ではなく。

「はい。わらわは、全く構いません。勇者さま……。と、言うよりも旦那さまは、このわらわを完膚なきままに叩きのめし平伏し、させた英雄さまでございますから。ルシファーは旦那さまのことを心から愛し、お慕いしておりますから。お気になさらないでください」と。

 一樹へと呟くのだ。

「フフフ」と、微笑も付け加えながら。魔王ルシファーさまは、一樹の嫁になることに対して大変に満足そう。

 そう、一樹の思いや危惧──。魔王ルシファーは、自身の父である魔王、佐多名衛門の助(サタナエモンノスケ)こと。たぬきの御老体が取り決めたことを断ることができずに、嫌々ながら一樹のところへと嫁にいくと言うことはない。

 魔王ルシファーさま自身も大変に乗り気──。

 己の父の転生した姿であり、最強の武士であり。この世界の古の英雄達とも肩を並べる事が可能な一樹の嫁になること自体、魔王ルシファー自身も歓喜──。嬉しくて仕方がないから。一樹自身も危惧する必要性もない。


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