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64章 地雷処理

 アカネは地雷の埋まっている場所にやってきた。

 地雷が埋まっている場所にしては、いたって普通に感じられた。木の枝は伸びているものの、

「セカンドライフの街」と遜色なかった。

 地雷が埋まっているからか、生物は見当たらなかった。この場所にいるのは、アカネ一人だけだった。

 地雷処理のアイテムは地雷探知機、地雷除去アイテムの2つのみ。他のものについては支給されなかった。

 アカネが足を動かすと、不発弾が一つ爆発することとなった。

「ドカーン」

 無敵の身体であるため、ダメージを受けることはなかった。何事もなかったかのように、ピンピンとしている。

 地面に埋められている地雷の数は5000000個。一個ずつ取り除いていては、一年、二年もかかることになる。時間短縮のために、一気に爆発させようかなと思った。

 500万個の地雷を一度に爆発させるので、周囲に対する衝撃はかなりになると思われる。それを防ぐために、地雷地帯の周りにバリアをはることにした。宇宙爆弾でびくともしなかったので、地雷くらいなら余裕ではなかろうか。

 アカネは魔法を唱える前に、身体を宙に浮かせることにした。大量に爆発させたときの、大音量を軽減するためである。一つ一つの音は許容範囲であっても、500万個ともなると訳が異なる。

 地雷は火に反応するので、炎系の魔法がいいかな。水で地雷を浮かせるといった方法などは、現実的な方法ではない。雷、風といった魔法も違うような気がする。

 炎の魔法を唱えると、あちこちで爆発音が鳴り響くこととなった。

「ドカーン、ドカーン、ドカーン、ドカーン、ドカーン」

 地雷の花火大会を開催しているような音が流れたあと、あたりは静かな空気に包まれることとなった。

 魔法で取り除いてしまったので、地雷が残っている可能性もある。もう一度、地雷地帯の全域に炎の魔法を唱えてみる。反応がなかったことから、爆発したとみなしてよさそうだ。

 地雷が爆発した直後とあって、地面は大きく荒れていた。枯れ果てていた木、無造作に伸びていた木の枝は、爆発の衝撃で跡形もなく消し飛んでいた。

 見栄えをよくするために、魔法できれいな状態にする。新しい土地が開拓された直後のような、活気を取り戻すこととなった。家などを建てれば、人が生活できるのではなかろうか。

「仕事終了。これで1兆ゴールドをもらえるなんて、夢を見ているかのようだね」

 周囲にバリアを張って、魔法で地雷を除去するだけ。こんな簡単な仕事は、これまで経験した
ことはなかった。小学生の暗算をやっているかのようだった。

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