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 第5話  【はじまり 其の5】

 せかへい 外伝24


 著者:pirafu doria
 作画:pirafu doria


 第5話
 【はじまり 其の5】



 空中でイングリッドはモンスターと戦っていた。どちらも空中で素早い機動力を持っている。



 だが、単純なスピードならモンスターの方が早い。



「っ…………」



 イングリッドはどうにか魔法での工夫でモンスターの攻撃を避けている状態だ。



 だが、空中にいるイングリッドにはグラオスは何もすることができない。
 グラオスは魔法で飛ぶこともできない。



 飛び道具もあの高さでは届かない。



「イングリッド、一旦降りて来い。二人で戦った方がいい」



 グラオスがそう叫ぶと、イングリッドは



「くっ、貴様の提案に乗るのは気持ちが乗らないが。これは仕方がないな……」



 モンスターの攻撃を避けながらどうにか地上に近づく。しかし、それをモンスターが追ってくる。



 簡単にはグラオスの元へはいけない。



 だが、



「この距離なら大丈夫だ」



 モンスターが木の高さまで降りてきたところで、グラオスは魔法を使った。
 両手を広げると、魔法陣を展開する。



「空気石(エールロシェ)」



 すると、グラオスの左右に二つずつ空気の塊ができる。それは長方形の形をした四角い空気の塊。



「イングリッド、行くぞ」



 グラオスはその空気の塊を発射する。



 その空気の塊がモンスターに当たると、モンスターの身体にペッタリとくっつく。
 そして、



「重力魔法」



 イングリッドがそう言うと、モンスターに刺さった空気の塊が突然重くなった。イングリッドはモンスターに空気が当たる前に空気の塊に触れていた。



 モンスターは空気の塊が重くなったことで飛行に支障が出る。
 動きが鈍くなったところを、イングリッドが攻撃する。



 モンスターの後ろに回り込むと、連続で蹴り攻撃を仕掛ける。



 モンスターは振り向くが重さで動きが遅くなっているため、イングリッドのスピードについていけない。



 イングリッドは再び回り込むと、モンスターに蹴り攻撃をした。その攻撃でモンスターは地面に落下する。



 地上にはモンスターの落下を待っていたグラオスがいた。



 グラオスは地面に触れると、



 地面をさらに硬くした。モンスターはその硬くなった地面に落ちた。
 大きな音が出て、地面にモンスターは転がる。



 だが、まだ消滅しない。



 グラオスがもう一度地面を触れると、今度はモンスターのいる周囲の地面が爆発するように弾けた。



 モンスターはその爆発に巻き込まれる。だが、



「まだやれないか……」



 グラオスがそう言うとイングリッドも降りてきた。



「一体、なんなの……あれは……」




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