第4話 【はじまり 其の4】
せかへい 外伝24
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第4話
【はじまり 其の4】
巨大なゴブリンのようなモンスターがイングリッドとグラオスを襲う。
しかし、グラオスはモンスターの攻撃を防ぎ、その時できた隙をイングリッドが使ってモンスターに攻撃した。
グラオスとイングリッドは不思議に思う。それは依頼内容よりも弱かったのだ。
このモンスターはここよりももっと北の地で発生して、それからずっと活動している。
多くの冒険者を倒していたと聞いていたが、それにしても弱すぎる。
「確かに巨大だが、三十人も被害が出る?」
イングリッドはそう言った。
多くの冒険者にも被害が出た。まだ村には被害は出ていないが、これからその可能性もあるため、イングリッドとグラオスが呼ばれたのだ。
しかし、モンスターはしばらくふらふらした後、
大きな声で叫び声を上げた。
イングリッドとグラオスは耳を塞ぐ。
「うるさいな……」
次の瞬間、グラオスの身体が吹っ飛ぶ。そして十本以上木を吹き飛ばした後、グラオスは止まった。
「……っ!!」
イングリッドは魔法を使い、宙に浮く。
グラオスを吹き飛ばした攻撃が、イングリッドも襲うがどうにか空中で避けてイングリッドは高く空中に飛び上がった。
「何が起きたんだ……」
イングリッドが下を見ると、そこにはさっきもモンスターの死体があった。だが、おかしい。
「なんだ、あの傷は…………」
モンスターの腹に大きな穴が空いていたのだ。
だが、イングリッド達はモンスターの腹を攻撃した記憶はない。
そしてそれ以前にもそんな傷はなかった。
イングリッドが空中にいると、吹っ飛ばされたグラオスが地上から叫んだ。
「イングリッド、後ろだ!!」
イングリッドが後ろを振り向くと、
「っ!?」
そこにはさっきのモンスターよりも一回り小さいモンスターがいた。
身体は痩せ細っているが身長は高く。緑色の肌にツノも生えている。
そして背中にはハエのような羽が生えていた。
「なんだこいつは……」
モンスターはさっきのモンスターが持っていた金棒を持っており、それでイングリッドに攻撃を仕掛けてきた。
モンスターの攻撃は目に見えないほど早く。普通なら避けることはできないだろう、だが、イングリッドは魔法はそれを可能にする。
「私と空中戦をする気か……」
イングリッドは軽量化と重力化を使い戦う冒険者だった。しかし、それをさらに研究し、あることに気がついた。
その二つの魔法は重力を操作しているのだと……。
実際には質量は変わらない。だが、重さだけ変わっている。それを知ったイングリッドは独自の魔法を作った。それが重力魔法。