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第10話 わらわは♂これで魔王をやめました(16)

 まあ、魔王さまのお父上が、安易に告げても。たぬきの御老体が太鼓判を押すほど、魔王さまの容姿はこの通りだ。この世の者とも思えないほど、美しく艶やか、麗しい容姿はね。まさにこの世で一番の財宝と申しても申し分のない容姿をしているし。魔王さまの父君である前魔王、佐多名衛門の助(サタナエモンノスケ)殿から見れば、己の末娘である魔王さまは、目に入れて痛くないほど可愛くて仕方がないから。まさにこの世界に彼が置いてきた最大の財宝と言えば財宝にもなる。

 されにさ? 一樹も男であり。勇者……。英雄を目指す漢なのだよ。

 と、なれば?


 英雄色を好むではないが?


 魔王さまの妖艶、麗しさと美しさは、英雄を目指す一樹としては側に置き、他人に見せつけ、チラつかせながら連れて歩きたい一品の宝になる。

 だからたぬきの御老体がくれると安易に告げてくれば。

『えっ? あっ? うん、ありがとう。爺さん。ルシファーさんのことは大事にするよ……』

 一樹はたぬきの御老体へと告げ。魔王さまを有り難く頂くのだよ。




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