第2話 【襲撃ユキザル 其の2】
せかへい 外伝22
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第2話
【襲撃ユキザル 其の2】
ユキザル。それはCランクに設定されているモンスターだ。
猿が元になったモンスターであり、サルの見た目をしている。見た目が白く、それは雪に適した体になっているからだ。
移動速度が速く、走るスピードは馬よりも速い。ユキザルから逃げようと馬に乗っても追い付かれてしまう。雪の上はさらに速さが上がると言われている。
さらにユキザルはかなり凶暴であり、獲物を見つければすぐに襲ってくる。
「ルンバ!! 大丈夫か?」
ユキザルに襲撃され、それをどうにかしたルンバ。
「ああ、問題ない。だが、こいつに攻撃を当てるのはなかなか厳しいな」
「マティルさんを呼ぶか? 魔法なら範囲攻撃だから避けられないだろう」
エスの提案にルンバは首を振る。
「いや、呼びに行っている間にこいつは村に入る。そうすると被害が拡大する」
「なら、どうするんだ?」
「俺たちで倒す。そうするしかない」
もしもどちらかがこの場から離れれば、すぐにユキザルにやられてしまう。そうすれば村に侵入されるだろう。それだけは避けなければならない。
「だが、どうするんだ」
エスは聞く。それに対してルンバは、
「俺たちも魔法を使う……」
「魔法だと、だが、俺たちは日常用の魔法しか使えないぞ」
「力を合わせるんだ。一人じゃできなくても二人ならできることもある」
ルンバはそう言うと、槍を前に出して魔法計算を始めた。
「俺は風魔法を使う。エスは炎魔法を俺の後に使ってくれ」
「……わかった」
エスはルンバの槍に魔法計算を行う。そしてエスが炎をつけると槍の先が燃えた。
だが、これだけでは……。
エスがそう思った時、ルンバがユキザルに向かって走り出した。そこで槍に火をつけただけでないことに気づく。
ルンバは炎は糸を引くように火をつけた場所から移動している場所まで続いているのだ。
これはルンバの風魔法でエスの炎魔法がその場に残るように調節した。そして槍が動いてもその場所に炎が残る。
ユキザルは素早くルンバの攻撃を避けるが、ルンバの炎はやがて円を描きユキザルの逃げ場を奪った。
「これで逃げられない……。エス! あとは任せた!!」
ルンバは風の魔法をその場に残し、炎の壁を残すことで精一杯だ。
そこでエスが動いた。
炎の壁に囲まれて動けなくなったユキザルをエスは槍で突き刺した。
「討伐完了!」
槍で刺されたユキザルは魔素に戻り姿を消した。
ユキザルが討伐されたので、ルンバは魔法を解除した。
「ナイスだ、相棒」
「おう!」