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 第9話  【雪山の温泉 其の9】

 せかへい 外伝21


 著者:pirafu doria
 作画:pirafu doria


 第9話
 【雪山の温泉 其の9】



 食事を終えたパト達はそれぞれで好きなことをして時間を過ごしていた。



 エスとルンバはまた温泉に行き、そのあとエリスも温泉に入っていた。
 ヤマブキは一階にある広場で大きな窓から夜空を見ていた。その隣ではカナーとパトがボードゲームを借りてゲームで対戦していた。






 エスとルンバは温泉に入っていると、壁の向こう側にある女子風呂の扉の開く音がした。



 エスとルンバは小声で話し合う。



「おい、誰か入ってきたみたいだぞ」



「ん、それがどうしたんだ」



 ルンバは気にしていない反応にエスはショックを受ける。



「さっきはパトがいたから怒られると言わなかったが、覗くチャンスだぞ!!」



「…………何言ってんだよ。言ってるだけでどうせやる勇気はないんだろ」



「う、まぁ、そうだけど」



 ルンバにそう言われたエスは落ち込んで顎まで湯船に浸かる。



「でも、想像するだけでも興奮するだろ」



「それはお前だけだ」



「つまんないの〜」






 旅館の広場では大きな窓があり、夜空を見ることができる。そこには大きなソファが三つほど間隔をあけて置かれており、ヤマブキは一番窓に近いところに座り星を見ていた。



 近くにあるソファではパトとカナーがゲームをしている。白と黒の駒を設置して挟むと相手の色を変えることができるオセロというゲームだ。
 これは昔別世界からやってきた者達から伝えられたと言われるゲームだ。



「うーむ、また負けた」



 カナーは白だったが、パトにあとちょっとのところで負けてしまった。



 何戦かしているが、パトの方が勝率が高い。カナーは何も言わずにもう一戦という感じで駒を設置する。
 そんな中、ふとカナーはヤマブキの方を見た。



「そういえば、ヤマブキさんって不思議な人だよね」



「ああ、そうだな」突然現れて村に住み着いて。謎が多い人だけど、……ほっとけない人だな」



「パトはもしかしてヤマブキさんのこと気になるの?」



「ああ、ヤマブキさんについては謎なことが多い。どこから来たのか、何が目的なのか。でも、村から追い出すわけにもいかない。……村のみんなには感謝してる、ヤマブキさんを見守ってくれてて」



 パトが礼を言うと、カナーは、



「当然よ。それにヤマブキさんってなんかパトに似てる気がするんだよね」



「え、俺と? どこが?」



「えーっと、なんていうか、雰囲気でもないんだけど。なんか言葉にしにくにもの」



「なんだよそれは……」









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