第2話 【貴族の妹達に幸せを!(クリスマス) 其の2】
せかへい 外伝 クリスマス
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第2話
【貴族の妹達に幸せを!(クリスマス) 其の2】
屋敷の庭でミリアは剣を振っていた。ミリアは細い身体で自分の半分くらいある長さの剣を振る。
それを隣でバイズが見守っている。
バイズはミリアが数年前に出会った騎士であり、フルート王国が崩壊し、帝国になった時に国から追放された騎士だ。
フルート王国では聖騎士長を務めており、騎士組織のトップであった。ミリアに拾われてからは同じように帝国から追放された騎士を匿い、ミリアの騎士としている。
そしてバイズと同じく帝国を追われた騎士の中では盗賊になる者もいる。そんなもの達を捕らえることもやっている。
今はミリア直属の騎士として、ミリアの側近と騎士団の隊長をやっている。
しばらく剣を振っていたミリアだが、しばらく降り終えると、剣を鞘にしまった。
「終わりですか?」
バイズが言うとミリアは近くに置いてあった水を飲んでから、
「いや、まだだ」
そう言った後、水の入った水筒を地面に置くと、バイズに向けて剣を抜いた。
「バイズ。少し手合わせしてくれないか?」
それを聞いたバイズは驚く。
「大丈夫なんですか? もう少し休んでからでも……」
「戦場ではそんなこと言えないだろ。それとも嫌なのか……」
バイズは自分の雇い主であるミリアに剣を向けることに抵抗があった。だが、それがミリアの命令ならば仕方がない。
「分かりました……」
バイズはミリアから少し距離を取るために歩く。そして少し歩いたところでミリアに停められた。
「そこで良い。…………準備はいいか?」
ミリアはすでに剣を抜いている。バイズは腰にある剣に手をかける。
「はい、いつでも…………」
「……じゃあ、開始だ」
ミリアは剣を持った状態で走る。そのスピードは武器を手にしているとは思えない速さだ。
そして走る時の姿勢はまるで忍者。
「…………っ」
気がつけばミリアはもうバイズの目の前にいた。
ミリアは剣を振る。それをバイズは剣を抜いて防いだ。ミリアは横に剣を振ったが、バイズは鞘から抜く動作で攻撃を防ぐ。
「油断していたな。馬鹿者が……」
ミリアはそう言い次の攻撃を仕掛ける。バイズはどうにかミリアの攻撃を防ぐがミリアのスピードについていくので精一杯だ。
最初は剣を抜かずに軽く流して終わる気だった。しかし、ここまでミリアが強いとは想定外。
バイズはミリアの攻撃を防いでいるだけで攻撃をすることができない。
やがてバイズの剣はミリアによりバイズの手から離され、バイズは負けた。