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 第6話  【雪山の温泉 其の6】

 せかへい 外伝21


 著者:pirafu doria
 作画:pirafu doria


 第6話
 【雪山の温泉 其の6】




「さてと次は……」



 ルンバを雪まみれにしたカナーは次の標的の方を見る。



 ルンバを雪合戦で倒したのは計画通りだったという感じだ。このままでは自分も雪まみれにされてしまう。



 危険を感じたエスは全力疾走で逃げる。



「あ、待て!!」



 カナーは追いかけようとするが、その前にエスは雪で滑って転けた。



 雪に頭から突っ込んだことですでにびしょびしょのエスは観念して雪合戦をすることにした。



「じゃあ、私はルンバの作った壁を使うね」



 そう言うとカナーはルンバの作った壁の方へ行く。エスも自分の作った壁へと向かう。



 だが、エスは自分が作った壁に自信があった。それは自分が作ったというのもあるが、それだけではない。
 さっきの試合でこの陣地は一回勝っているということだ。



 それにエスはカナーに勝たなければならない理由もある。それはカナーをびしょびしょにしてやりたい。
 いつもバカにしてくるカナーをどうにか泣かせてやりたいのだ。
 ついでに服が透けると嬉しいとかもある。



 そんな期待をしながらエスとカナーの雪合戦は始まった。



「スタート!!」



 ルンバの合図で二人は雪を投げ合う。しかし、二人とも雪玉を避けて、壁の中に隠れる。
 お互い譲らない戦いだ。これは長くなる。そう思った。しかし、



 カナーは大量の雪を持つと立ち上がる。



 そしてそれを壁に隠れているエスに投げ出したのだ。



 さっきと同じ作戦。そうとも思えた。しかし違った。



 凄い勢いで投げられた雪玉は、雪の壁を少しずつ破壊し、エスの作った壁を破壊してしまったのだ。



「なにぃー!!」



 カナーの強力な投擲が雪の壁を破壊した。それによりエスに雪玉が次々と当たる。



 エスの顔に雪が当たり、身体中が真っ白になる。
 やられまくったエスだが、これで負けるわけにはいかない。せめて一撃だけでも!!



 エスは雪玉に当たりながらでも無理矢理走り、接近戦で勝負に出ようとする。



 しかし、エスは転んでしまった。



 エスは雪にズッポリと顔面から埋まる。そんなエスにカナーは雪玉を投げ続けた。



「降参!! 降参だー!!」



 それでも雪を投げられて、そのまま雪に埋められそうになったエスは降参した。



 雪合戦で圧勝したカナーは子供のようにはしゃいで喜ぶ。



「やったーー!!」


 ジャンプしてカナーは喜ぶ。



 そんなカナーを見てルンバは言う。



「そんなにはしゃいでると転ぶぞ」



 ルンバに言われた通り、カナーは雪に滑って転んだ。





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