57 お礼をしよう!そして、新しいお友達!
その頃、サーヤはみんなを集めて秘密の会議中。
「
まぁるく輪になって座って、頭をつきあわせるようにして、こそこそ。真剣なお顔でみんなに相談です。
『お礼?』
『主神様に?』
フゥとクゥ、それだけじゃないの。イル様もだけどね?
「あい。
こくって頷きながら答えます。
ぴゅ?『しあしゃまにも?』
きゅ?『おれい?』
「あい。
ドーン!はびっくりしたけど、そのおかげで、サーヤは今とっても幸せ。それに、お話聞いたらイル様もシア様も大変だったみたいだから、ありがとうしたいです。
『そうね。イル様とシア様のおかげだものね。きっとお喜びになるわ』
『うん。そうだな。おれたちもサーヤとモモとスイに会わせてくれたお礼をしたいしな』
ぴゅいきゅい『『だいさんせーい♪』』
フゥとクゥも双子も賛成してくれました。
「あい♪」
喜んでくれるといいな~
ぴゅ『でも、おれいって』
きゅ『なにしゅるの?』
そうなのです。ここは森の中、ケーキ屋さんとかもないから
「
森だから、お花ならたくさんあるんじゃないかな?って思って
『お花でかんむり?お花で作れるの~?』
ハクが不思議そうに聞いてきます。あれ?花冠知らないのかな?
「
出来ないかな?
『そんなことないわ。きっと喜んでもらえるわ。でも二人分でしょ?時間ないみたいだし急がなきゃ』
フゥありがとう!
『でもサーヤ編めるのか?』
クゥが心配してくれます。
「たぶゅん?」
たぶん、編み方は覚えてると思うんだ~
『じゃあ、最初だけ一緒に花を集めて、サーヤはその後ひたすら編むってのはどうだ?』
「ふぉ~」
クゥの案、採用です!
「あい。
綺麗なお花見つかるかな?
『い~よ~。探しに行こ~。サーヤはぼくに乗るといいよ~』
ハクが背中に乗せてくれるって!わーい!もふもふ~♪
『『『おはな、とってくるよ~』』』
キッ『がんばるよ~』
チチッ『さがそ~』
妖精さんたちやお猿さんたちも手伝ってくれるって!みんなありがとう!
『『それじゃ、行くぞー!』』
「おー♪」
ぴゅきゅ『『おー!』』
『『『『『『お~!』』』』』』
フゥとクゥの掛け声で出発です!
花冠が出来そうなお花どこかな~?
結果、妖精さんたちが大活躍。みんなをあちこち案内してお猿さんやリスさんが一生懸命集めてくれました!
そしてなんとハクが連れてきてくれた場所は泉!
『行くよ~』バッ
「ほえ?」ふわっ
⋯の中!
ドッパーンッ!
「ふおおおおっ?」
確かにお花咲いてるけど~!?
いきなりお水ドッパーンはだめだと思う~!
『きゃーっ』
『サーヤーっ』
ぴゅきゅ『『うわーっ』』
キチィっ『『たいへ~んっ』』
『『『ギンさまーっ』』』
上でみんなが悲鳴あげてます!
みんな、ごめんね~
『サーヤ、お水の中キレイだね~』
あ、あれ?お話できるの?その前に息できるの?
『大丈夫だよ~。ぼくお水の玉作れるみたい~』
「ほぇ?」
お水の玉?
ビクビクしながら目を開けてみると、
『ね~大丈夫でしょう?』
透明な丸い膜みたいので、お水が止まってます。フゥの風の防御膜みたい感じかな?ハクは何となく出来そうでやっちゃったみたいです。
「ふぁ~ きりぇ~」
どこまでも透明な水の中、遠くまで続く青い世界。お空から光がさして過去らきらゆらゆら。お魚はまるで空中を浮いているように見えます。そして水の中とは思えないほど色々な花が咲いています。すっごくキレイです!
『ね~♪それじゃあ、どのお花にしようか!水の妖精さんにとってもらおう♪』
「ふぇ?」
水の妖精さん?
『だれか呼んだかな~?』
『あ~愛し子様だ~』
『森の主様の子もいるよ~』
『どうしたの~?何かご用?』
わ~髪も目も服も水色の小さい女の子と男の子たち。指に水かきがあるのと、お耳がなんかとんがってる?キレイなお魚のヒレみたい!きらきら~♪この子たちが水の妖精さん?
「ふぁ~ かぁーいーね~♪こんにちは!さーにゃ……や!でしゅ」
『ふふっ サーヤだよ~。ぼくはねハク。よろしくね~』
二人で自己紹介です!ごあいさつ大事!
『『『『よろしく~』』』』
『それでどうしたの~?』
水の妖精さんたちが何かあったの?って。
『あのね~、サーヤが主神様と女神様にお礼をしたいんだって~』
「あい!
綺麗なお花ないかな?
『花冠~?』
『それでお水の中にまで来たの~?』
『たしかにお花いっぱいあるけど~』
『よく飛び込めたね~』
『『『『すごいね~』』』』
水の妖精さんたちが感心してます。そうだよね、サーヤもいきなりどっぱーんってびっくりしたもん。
『そう~?大丈夫だったよ~。それより何かおすすめのお花あったら分けてくれないかな~?』
ハク、それよりって…うん、でもいいお花あるかな?
『ん~?花冠に編めて~』
『主神様と~』
『女神様に~』
『ぴったりなお花~?』
水の妖精さんたちも、ん~って考えてくれてます。
『あっ!!』
『あれは!?』
妖精さん二人が指さす先には白い花びらに黄色い縁取りがある可愛いお花。スノードロップみたいな可愛いお花があります。
『『あっ癒しの涙だ~』』
遅れて二人の妖精さんもお花に気づいたみたいです。
『「いやしのなみだ?」』
お花の名前かな?
『そう!お花の中の雫に癒しの力があるって言われてるの~』
『幸せを運んでくれるとも言われてるんだ~』
『贈り物にピッタリ!!』
『お礼にピッタリ!!』
四人が嬉しそうに教えてくれます。
『ほんとだね~ サーヤどう?』
「あい!!ぴっちゃり!!」
癒しだけじゃなくて幸せもなんてすごいです!
『じゃあ、妖精さんたちお願いします』
「おにぇがいちましゅ!」
お花分けてください。
『『『『まっかせて~』』』』
みんなすい~っと泳いでいきます。速い速い!泳いだ後に銀色の道ができてとってもキレイ!!あっという間に小さな両手で抱えられるだけ持ってきてくれました!すごいすごい!!気を使って他にも珍しいお花があると一緒に採ってきて教えてくれます。お熱を下げたり、面白いものだと邪を祓うって言い伝えのものもあったよ!
「ふぁ~ たっくしゃん!」
『すごいね~ありがとう妖精さん!』
「あいがちょ~」
水の妖精さんたちのおかげで、かわいくてキレイなお花がたくさん!!
『『『『どういたしまして~』』』』
お礼を言ったら、えへへって四人で照れてます。
『サーヤ様~』
「さーにゃ!」
妖精さん、様はいらないの!
『え~?でも~』
「や!おちょもだち!さーにゃ!」
お友達なのに様はだめだめです!
『ふふふ~ 諦めて、サーヤって呼んであげて~?お友達にはサーヤって呼んでもらいたいんだよ~。ね~?サーヤ?』
「あい!もう おちょもだち!」
ハクはさすがです!
『わかった~』
『もうお友達だね~』
『じゃあ、サーヤ 』
『お近付きのしるしに~』
『『『『ん~よいしょお!』』』』
突然みんな輪になって手のひらを前に突き出したと思ったら、みんなの中心に水の渦が出来てきました!しだいにキラキラ光出した中心に何か青くて透明な石が!
「ふわぁ~」
『きれーだね~』
すごいすごい!
『かわいくな~れ!』
『きれいにな~れ!』
『あとは~?』
『ネックレスにすれば身につけられる~?』
『お~』
『いいね~』
『じゃあ~』
『あとひと頑張り~』
『『『『よいしょお!』』』』
妖精さんたちが相談したあと、再び気合を入れると、キュイーンと光が石に集まってます。
「ふぉぉぉ」
『うわ~ すご~い』
光が収まるとそこには
真っ青なクリスタルが!
形はさっきみんなが集めてくれた癒しの涙の形をしています。それから、そこには首から下げられるように紐がついています。
『できた~』
『やったね~』
パンっとハイタッチしてます。可愛い~
『サーヤ!』
『はい!』
『『『『どうぞ!』』』』
「ふぇ!?」
『お~』
今作ったばかりの石を差し出してくれてます。
『これはね~』
『水の守り石だよ~』
『友達のしるしだよ~』
『受け取って~』
みんなニコニコしてます。
「いいにょ?」
『『『『うん!』』』』
妖精さんたちが首にかけてくれました。
「あいがちょう!
『よかったね~ 今度お土産一緒に探そうね~』
「あい!」
喜んでもらえるの探さなきゃね!
『『『『わ~い!』』』』
『ほんと~?』
『きっとだよ?』
『待ってるからね~』
『約束だからね~』
「あい!」
『約束だね~』
水の妖精さんたちとお約束です。
『それじゃあ、そろそろ帰ろうか~』
「あい!ようしぇいしゃんちゃち まちゃね~」
『『『『またね~』』』』
水の妖精さんたちが手を振って見送ってくれます。
絶対また来るからね!
さぁ!帰ろう!!
そして、たくさんのお花を持って無事に地上に戻ったサーヤたちを待っていたのは、泣きながら待っていたフゥたちと、妖精さんたちから知らせを聞いて駆けつけたギン様の長~いお説教でした。
うぇーん ごめんなさーい!
ごめんなさ~い!
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