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54 (見習い)はどうした?

サーヤの幼児化は私たちがそうなるようにしたのだと、フゥとクゥ、モモとスイは納得してくれたようだし。これで彼らの不安が少しは軽くなったと信じて…

〖さてと、ご馳走様でした。それじゃあ、そろそろサーヤとハクのどうして?に答えようかな。あのままじゃ巻き込まれたギンがかわいそうだからね〗

みんながサーヤたちの方を見ると、相変わらずサーヤとハクはどちて?と首をかしげあっている。ギンはしっかりしっぽを掴まれているため動くに動けず困り果てていた。ついでにジーニ様はそんなサーヤたちの周りを興奮して飛び回っている。〖映像魔法バンザーイ!〗とか叫びながら。

『そうですね』
『ギン様を助けないと』
この状況は苦笑いするしかない。

ぴゅい~『かわいそうなギンしゃまを』
きゅい~『たしゅけにいこー!』
ぴゅきゅ『『おーっ!』』
ぴゅー『サーヤー』
きゅー『ハクくーん』
ぱたぱたと双子が飛んでいくと、サーヤがそれに気づいて手を振っている。

〖さ、フゥとクゥも行こう〗
『『はい』』
みんなでサーヤたちの元へ行くと

「いりゅしゃまー!どちて~?」
サーヤ、言葉が唐突すぎだよ(笑)

〖くすくす。サーヤ、それはなんでハクが話せるようになったか?ってことで合ってるのかな?〗

「あい!どちて~?」
ふふ。これははやく答えてあげないとね

〖ん~契約前、(見習い)になってたよね?〗

「あい」びしっ
『『はい』』ぴしっ
ふふ。サーヤはなんで気をつけ!をしたのかな?サーヤだけじゃなくギンとハクまでつられて姿勢がよくなってるね。

〖それがなくなって、正式に神獣と聖獣になってるね〗にこっ

「ふぉ~しゅご~」ぱちぱち
『『……』』
ふふ。喜んで拍手してる横でまたフェンリル親子は固まっちゃったね。ちゃんと聞こえてるかな?

〖まあまあ、まだ続きがあるよ。それで、一気に体が変化して、いや眠ってた力が目覚めたと言った方が近いかな?もちろん知性も高くなったからハクは人語を喋れるようになった訳だけど〗

「ふみゅふみゅ」 こくこく
元気よく頷いてるけど分かってるかな?

〖二匹とも新しい種族になってるよ〗

「ふぇ?」
『『はい?』』
『『え?』』
ぴゅきゅ『『また?』』
はは。今度はみんな揃って目がまん丸だ。

〖くすくす 勿体ぶらずに教えてあげなさいよ〗 ごすっ
〖うっ〗
いつの間にか隣にいた魔神ちゃんが脇腹を肘で小突いてくるけど、地味に痛いんだからね?それ。

〖ふふっ、ごめんごめん。みんなの反応が面白くてついね。コホン〗

改めてフェンリル親子に向き直って告げる。

〖おめでとう。ここに新たな神獣と聖獣が仲間入りした。そして、新たな種族の誕生だ〗

いつの間にか森のみんなも集まり、主神の声を固唾を飲んで聴いていた。

〖ギン、君はシルバースノーフェンリル。おそらく名前の由来が関係しているんだろうが、月の加護を持ち、水や氷の魔法を得意とする。そして一部の天候を操ることができるようになった。雪とか吹雪とかね。それから、月の力も更に強くなっているようだから、特に月夜の晩は力が大きくなるだろう〗

『シルバースノーフェンリル…』
ギンが噛み締めるように新しい種族を繰り返す。
私はギンに頷き、次はハクを見る

〖ハク、君は更に珍しい。やはり癒しの力を持っていたようだよ。ホワイトホーリーフェンリル。父親と同じく、月の加護を持ち、水と氷の魔法を得意とする。更に、光の属性を持ち癒しの魔法を使うことが出来る。おそらく直に太陽の加護も得るだろう。まだまだ子供だし、種族もまだ進化するかもしれないね〗
サーヤのためにも実に頼もしい力だ。だが、ハクもまだ赤ん坊のようなもの。受け入れられるだろうか…

『ホワイトホーリーフェンリル…。ぼくが、いやしのまほうをつかえるの~?』

その通り。と頷くと横にいた魔神ちゃんが言う

〖ええ、そうよ。使えるわ。あなたが力を望むなら、あなたも私が一から鍛えてあげる。強い力を持つ者は責任を伴う。あなたはどうしたい?〗

これは魔神ちゃんが自分が気に入ったものにしか言わない言葉。魔神ちゃんが本気の証。さあ、ハクは?そして、みんなはどう答えるかな?

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