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52 大きな大きなもふもふ

目が~目が~
『仕方ないわねぇ』
『ほら、サーヤしっかりしろ~』
目を押えてゴロゴロしてるサーヤをクゥが抱き上げる。

ぴゅいきゅい『『サーヤ~』』
『光が収まってきたぞ』
『見えてきたわよ』
「うにゅ~」
まだおめ目が~

何とか目が開けられるようになって、光がおさまると中から白銀色に輝く大きな大きなわんちゃんと、真っ白なサーヤがちょうど乗れるくらいの大きさの、かわいいわんちゃんが出てきました!

『あの姿をわんちゃんって…』
『どう見ても「可愛いわんこ 」ではないよな』
ぴゅ『つよそうな』
きゅ『かっこいい』
きゅぴゅ『『おおかみさんなの』』
『『だよね(な)~』』

いいのです!わんちゃんと言ったら、わんちゃんなのです!!
もふもふ!もふもふ!
最上級のもふもふ~!!

『『あ~ぁ』』
『サーヤのあの目』
『サーヤのあの顔』
ぴゅきゅ『『きらきら~』』
ぴゅ『ギンしゃま』
きゅ『ハクくん』
『『『『がんばって~』』』』
フゥとクゥと、モモとスイが疲れたようになんか言ってます。

「ふぁ~!もふもふ~!!」
と、新生ハク・ギンに抱きついている、いや、まとわりついているサーヤ。あっちでもふもふ、こっちでスリスリ、あっちでわしゃわしゃと残像が見えるようだ……最終的に二匹のしっぽを抱えて?埋もれて?両方のもふもふを堪能することにしたらしい……
「もふもふもふもふ~ うへへへへ」

『出た』
『あの笑い方』
ぴゅ『だめなの~』
きゅ『やめられないの~』
うわ~って感じでフゥたちが何か言ってます。

「うへへへへへへ~」

『『あ~ぁ』』
ぴゅいきゅい『『だめだめ~』』
フゥとクゥ、モモとスイはある意味悟りの境地…首をふりふり

〖~~~っっっ〗
〖ふぅ~ぅぅぅ〗
そんなコントのようなやり取りを見て、主神は声もなく腹を抱えて笑い、魔神はサーヤの可愛さと、サーヤが自分以外に抱きつきまくっているというあまりの嫉妬に滂沱の涙を流していた。
カオス…

『あ、あのな、サーヤ?』
『くすぐったいよ~』
今まで黙ってたギン様とハクがなんか言ってます。

もふもふ うへへ~
……ん?くすぐったい?

「ありぇ~?」こてんっ
なんか違う?
しっぽは離さずサーヤが何やら首を傾げ始めた。

『ん?サーヤ?』
『どしたの~』
ギン様とハクは同じ方向に頭をこてんっして、急に静かになったサーヤを見てます。

「はくくん?」こてんっ
あれ~?
頭が反対側にこてんっ

『なぁに~?』こてんっ
つられてハクの頭もこてんっ

「おしゃべり、ふちゅう?」
普通におしゃべりしてるよね?

『あれ~?ほんとだね~?』
ハクも言われて始めて自分がしゃべっていることに気づいたみたいです。

「どちて?」こてんっ

『さあ~?』こてんっ

二人であれ~?あれ~?と首をふりふり。サーヤにいたっては上半身ごと右に左に…

もはや笑いの沸点がダダ下がりな主神は声も出せず苦しげに笑い転げていた。
〖 ~~~っ ひ、ひぃ~っ、く、くるしい。たすけてぇ〗

そして、サーヤとハクの可愛さに悶えまくりのジーニ様
〖あ~っ 可愛い!可愛いわ!この映像を残していつまでも見たいわ!〗
瞬間!魔神ジーニ様の目がカッと開いた!

〖そうよ!私は魔神!なければ作ればいいのよ!映像魔法~!!〗カッ!

この世界に映像魔法が誕生した瞬間だった…

『なに?この状況…』
『めちゃくちゃだな…』
ぴゅ『だめなの~』
きゅきゅ『だめだめなの~』
呆れて見守るフゥ、クゥにモモとスイ

『あの、サーヤ…そろそろ』
尻尾を掴まれたまま置いてけぼりなギン様…哀れ…

あれ~?あれ~?

〖あ~ん♪かわいい~♪こっち向いて~〗
〖⋯⋯っ、く、くるしっ、ひぃ~〗

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