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46 魔神ちゃんの涙

主神様、大丈夫?また綺麗に刺さってるけど…
『『わーっ主神様っ』』
飛んでった主神様を見ていたら、黒髪美人さんに優しいけど有無を言わさない力で顔の向きを変えられました。
主神様が気になるけど、フゥとクゥが助けに行ったみたいだから大丈夫かな?

〖そうよね。自己紹介もまだだったものね。ごめんなさい〗
黒髪美人さんが私を抱っこしたまま続けます。その顔はどこか寂しげです。

〖私は魔神、魔神ジーニよ。魔法を司る神といえば分かりやすいかしら?〗
おお!魔法の神様!ファンタジー!

「あい。まじんしゃま。さーにゃ……や!でしゅ。よろちくおにぇがいちましゅ!」
早く名前を言えるようにならなくちゃ!

〖ふふっ こちらこそ。よろしくねサーヤ。私のことはジーニでいいわよ〗

「あい!じーにしゃま!」にこっ

あっ大変!ジーニ様またうるうるしてきちゃったよ!?

〖本当に、本当によく戻ってきてくれたわ。私たちみんなあなたに会いたかったのよ?〗ぐすっ
サーヤの頭、優しくなでなでしながらジーニ様が教えてくれます。ん?

たち?みんな?もしかして
「 かみしゃま、たくしゃんいりゅ?」

〖そうよ。沢山いるわ。覚悟した方がいいわよ?みんなあなたに会いたがっているから、どんどんここに来るはずよ?〗くすくす

なんと!お、覚えられるだろうでしょうか!?

〖それで、その神たちの頂点に立つ主神があれね。不本意だけど〗
と、フゥたちに救出されている神様を見ます。

「ほえ?しゅしん?しゅしん、にゃに?」
主神様って、そう言えば意味は知りませんでした。審判さん?

〖ぷっ。審判…違うわよ。あのね、主神って言うのはね?この世界を作った神でね。この世界の頂点…一番偉い神様って言ったらわかるかしら?とてもそうは見えないでしょうけどね〗
ふんって、鼻息荒く魔神ジーニ様は教えてくれます。

「ほえ~?」
この世界を創った?ということは
「しゅごいかみしゃまぢゃっちゃ?」
すごい神様に会ってたんだ?
〖そうなのよ~本当に不本意だけどね~?駄神の方がぴったりよね?〗
「へ、へ~?」
なんか、主神様、一番偉い神様なのにかわいそう?

〖魔神ちゃんてばひどいよぉ〗
地面に突き刺さってた主神様が復活したみたいです。大丈夫?

〖何がひどいよ!ひどいのはあなたでしょ!抜け駆けして!私たちだって会いたくて会いたくて会いたくて会いたくて仕方なかったのに!〗
むぎゅー攻撃再び!ぎゅう~ ぐえっ くるちいぃ~ ぺしぺしして訴えます。
〖あ、あら ごめんなさい?つい可愛くて〗
ふ、ふぅ。女神様方は皆さまお胸という凶器をお持ちなのでしょうか?抱きしめられる度に窒息するのはごめんなのですが…

〖それについてはみんなにも後で謝るよ。すまなかった。ただ、とにかく急ぐ必要があったんだよ〗
神様、じゃなくて、主神様が謝ってます。それを睨みつけるジーニ様。
美人さんの涙目の睨みは迫力ですね。ドキドキ

〖はぁ…悪かったわ。分かってるのよ。本当は〗

おぉー美人さんのため息…これが大人の色気!めのほよーってやつかな?
おばあちゃんがテレビとか見ながら言ってました。
『『⋯⋯』』じとー
ん?フゥとクゥと双子たちの目が…なんでもないですよ?

〖ありがとう。愛し子を取り戻してくれて。本当に…〗

あっ!ジーニ様がまた泣いちゃった!
ハンカチないから、お手手でごめんね。こしこし…

あれ?びっくりしてる?
〖ふふ サーヤありがとう〗

うんうん。美人さんは泣いても絵になるねぇ。がんぷくってやつですか?

『『『『……』』』』じとーっ。

なんですか?フゥ、クゥ。モモとスイまでフゥたちのまねしなくてもいいのにね?

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