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「いいか(クロ)
 搭季(とうき)は玄助の頭を撫でる。
(クロ)は魅力的な妖狐だ。付き合いたくない妖しだって寄ってくる。そんな時は……」
「そんな時は……?」
玄助は深雪に力を使わせてしまった所為(せい)搭季(とうき)の言葉に耳を傾ける。
「……面と向かって否定は駄目だ。そいつの嫌いそうな男を演技しろ。それと……」
 搭季(とうき)はこちらに寄ってくる人影を見て後ろ向きに歩き出す。
「ちっ……詳しい話は後だ」
玄助は頷くと搭季(とうき)の後を追った。

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