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第10話 わらわは♂これで魔王をやめました(3)

 うむ、そうじゃ。儂じゃ、ルシファー。迎えにきたぞ……」と。

 たぬきの御老体は麗しい魔王さまへと言葉を返すのだが。

 この久し振りに会う親子の様子と会話を良く思わない者がいる。

 そう、自身の甲冑になることをやめ。己の目の前で、魔王を庇いながら会話をするたぬきの御老体へと一樹が不満のある顔と声色で。

「じいさんこれはどう言うことだ?」

 と、訊ねる。

「ん? どうも、こうもない……。この娘、ルシファーは儂の可愛い末の娘なのだよ……」

 たぬきの御老体は相変わらず、小さな自身の身を挺しながら言葉を返したのだ。

「えっ? うそ?」

「うそ、ではない本当なのだ。一樹。この娘(こ)ルシファーは、儂の大事な末の娘だ。だからこれ以上儂の娘に酷い事をしないでくれ、お願いだ……」と。

 たぬきの御老体は驚嘆を漏らした一樹へと説明……。これ以上自身の娘に酷い事をしないでくれと再度嘆願をする。

「う~ん、でも、似てねぇなぁ~? 爺さんと魔王さま……」

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