41 お帰り・ただいま
神様達みんな?神様って、みんなひまなの?
〖ん?神だけじゃないよ?神獣とか精霊王とか、み~んなだよ〗にこにこ
「へ、へ~」
そ、そうですか…みなさん、おひま?まあ、それも気になるけど、ちょっと置いといて~
「
気になることがあるんだけど~
主神様のお洋服をつんつんして聞きます。
〖なんだい?サーヤ 〗にこにこ
「
ふつう、神様なんて一人だって地上に降りて来ないよね?それが、みんな?たくさん?
〖ん~本当はダメだね~。神界を空っぽにするわけにいかないし。みんなで順番を決めるしかないかな?そうだね、くじ引きでもしようかな?〗
くじ引き?神様もくじ引きするの?
「
神様って、お強いんでしょ?いるだけで何か起きちゃったり?あっという間に木がボウボウとか?あれ?ボウボウするのは草だっけ?
〖影響ねぇ、普通なら出るねぇ。ただ、この森は調子に乗って、みんなして力を与えまくって聖域になっちゃったから、神様降り放題?あはははは〗
主神様?それは笑い事ではないのでは…
〖でもね?みんなが来たがる一番の理由は、サーヤに会いたいからだからね?〗なでなで
頭なでなでされながら、優しく言われました。
「ほえ?さーにゃに?」
会いたいの?なんで?
〖だって、愛し子だよ?〗
当然でしょ?って顔されてもわからないよ~
「だかりゃ?」
なんで?首を傾げるしかありません。
〖愛し子はね?本来なら可愛がって可愛がって構い倒したい存在なんだよ?みんな君の誕生をほんとに楽しみに楽しみに待ってたんだよ〗
主神様が目を細めて優しく微笑んでくれます。少し悲しそうにも見えます。
そうだったんだね…
〖そうだよ~。もうね、誰が最初に抱っこするかとか、頭撫でるかとか、大騒ぎでね。一番壮絶だったのは誰が名前をつけるかだったんだけど、白熱しすぎて神殿の床が抜けちゃってね~大変だったんだよ?ハハハハ〗
へ、へぇ~
た、大変だったんだね
〖それがいきなり奪わ……叶わなくなって、みんなの落ち込みよう(怒り)はそれはもう大変なものだったんだ。もう泣き崩れる(暴れる)神も大勢いてね〗
そうなんだね。わたしのためにありがとうございます。それから、悲しませてごめんなさい。
…ん?なんか副音声が聞こえたような?気のせいかな?
〖でも、やっと取り戻すことが出来た。サーヤ、お願いがあるんだ。…抱っこさせてもらってもいいかな?〗
そんな切なそうに言われて断れるわけがありません。私はわかる子なのです。「どーじょ」とバンザイのポーズをとると
〖ありがとう〗
ふわりと抱き上げられて視界が高くなります。なんかいい匂いするなぁ。すんすん
〖ああ、あったかいな。柔らかい。ようやく戻ってきてくれたんだね〗ぐすっ
あれ?神様泣いてる?
見上げて確かめたいけど、しっかり頭を撫でられながら抱っこされてて出来ません。
〖よく帰ってきてくれたね。お帰りサーヤ。可愛い愛し子…〗
今度こそ……
〖みんなで守るからね〗
頭を撫でてくれていた手が緩んだので、ちゃんとお顔を見たら、神様は笑ってました。だから
「あい!
わたしはどうしても笑ってそう言わないと行けない気がしたので、自分の出来る一番の笑顔で、ただいまってします。
そうして、もう一度笑顔で
〖お帰り〗
と、言ってくれた神様の後ろ、上空で、何かがキラーンと輝いた。
はて?キラーン?