37 覚えてる?
サーヤがぽわっと光ってからゆっくり目を覚ましました。
「ふわぁ~あ」
よく寝た~
「おあよ~ごじゃましゅ」
のびのび~
『『おはようサーヤ』』
きゅぴゅ『『おはよ~』』
『ずいぶん大きなあくびだな』
『目が覚めたかしら?』
フゥ、クゥとモモとスイがおはようっお返事してくれました。あれぇ?でも朝じゃないね~?おめ目くしくししてるその時、初めて聞く声がしました。
〖やあ、おはようサーヤ。愛し子よ〗
とっても優しい声です。
「ふにゅ?だぁりぇ?」
きんきらなイケメンさんだ~
〖私はこの世界の神だよ〗にっこり
「ふぉぉ?かみしゃま?」
〖うん。そうだよ〗
じゃあ、ちゃんとご挨拶しなきゃ!
「えちょ、おあよーごじゃいましゅ!かみしゃま。さーにゃ…や!でしゅ。よろちくおにぇがいちましゅ!」ぺこり
ご挨拶大事!
〖うん。ご丁寧にありがとう。改めまして、この世界の主神イリュースだよ。よろしくねサーヤ。それからね、先程は女神が失礼したね。実はあの子はシアと言って私の娘なんだよ。事情があって急がなければならなくてね、あんなお別れの仕方になってしまってごめんなさい。と、伝えてくれと言われたよ〗
申し訳なさそうに眉毛を下げて伝えてくれる主神様。あの女神様は主神様の娘さんだったんだね。
ドーンってされてびっくりしたけど、事情があったんじゃ仕方ないよね。
「あい。わかりまちた。みんにゃに あえちゃの、めがみしゃまのおかげ。ありがちょ ゆっちぇくりぇましゅか?」
今は本当に感謝してるよ。びっくりしたけど。びっくりしたけどね。
〖ありがとう。必ず伝えるよ〗にっこり
「あい!」
えへへへ。良かった。
〖それでね、サーヤ。あの時説明できなかったことを話したいんだけどいいかな?〗
説明できなかったこと?わざわざ神様が来てくれたからきっと大事な事だよね!
「あい。おねがいちましゅ」ぴしっ
気をつけしてお話を聞きます!
〖ふふ。大丈夫、楽にしてね。じゃあ、まずは…すまなかったね。サーヤ。女神に聞いたと思うが、なかなかこの世界に戻してあげられなくて、本当に申し訳なかった〗
いきなり神様に頭を下げられた?
「ふぇ!?だいじょぶ!あちゃまあげりゅりゅりゅ」
どうしようどうしよう?神様が謝ってるよ?頭上げて上げてっ!
『どもってるな』
きゅ『「る」がおおいね』
クゥとスイがボソッと言うと、すかさず
『『しっ(ぴゅっ)!』』
フゥとモモの女性陣が黙らせます。
聞こえてますよ。そこ。
〖くすくす。ありがとう。責められても仕方ないのに〗
主神様、泣きそうなお顔しないで。
「でも、おばあちゃん あえちゃ」
間違えて生まれなかったらおばあちゃんに会えなかったよ。
〖そうか…おばあちゃんのことは覚えてる? 〗
神様の眉毛が八の字です。
「うん。すこち?やさしかっちゃ」
と、思う?
〖そうか……他のこと、おばあちゃん以外のことは覚えてる?〗
「んー?あんまり?でも、あんまり
嫌なこといっぱい
〖うん。そうか〗なでなで
そう言いながら主神様が頭を撫でてくれます。なんかぽかぽかする?
〖おばあちゃんと一緒にしてた楽しいことたくさんあるでしょ?それを思いだすといい。きっとサーヤを助けてくれるよ〗
なでなで…
「あい」
神様の言葉が頭の中に直接響いてる気がします。おばあちゃんのことを思い出すと、なんか胸がぽかぽかします。
〖嫌なことは忘れていいよ。これからたくさん楽しいことがあるからね 〗
なでなで…
「あい」
なんだろう?なんかふわふわ不思議な感じがします。
そして、神様の手が離れると、何だかみんなが心配そうに見ていました。
どうしたんだろ?